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銅価格急騰!恩恵受ける「三菱マテリアル」「住友金属鉱山」「三菱商事」の投資妙味は=栫井駿介

銅の恩恵を受ける「3銘柄」

そんな中、この銅の上昇の恩恵を受ける銘柄という形で、タイプ別に分けて3つあげさせていただきました。

製錬は「三菱マテリアル」、探掘は「住友金属鉱山」、そして権益が「三菱商事」です。

1つずつ見ていきたいと思います。

<三菱マテリアル>

三菱マテリアルは銅を中心として様々な非鉄金属ないしセメントなどを精錬とか加工している会社になります。

三菱マテリアル <5711> 日足(SBI証券提供)

三菱マテリアル <5711> 日足(SBI証券提供)

基礎素材銅やセメントの精錬加工から金属加工、超硬切削工具高機能粉末電子材料の製造販売、資源循環システム、環境リサイクル分野までしています。

こういった業界に関して大手ということもありまして、バランスが良いというところもあります。セグメントを見ても金属や高機能製品、セメントという形でバランスを取った構成となっています。

ただ業績としてあんまりパッとしなくて、売上高は上がったり下がったり繰り返しながら、結局は横ばい、利益もあまり冴えずに営業利益率もほぼ5%以下というような形に収まっています。

利益率が低いのはこの会社に限ったことではなくて、掘削するところから銅の原石を買ってきて、それを精錬するのですが、やはり掘ってくるところの力が強いので、それにわずかなマージンを乗せてさらに売ります。

もちろんさらに加工してより精度の高い物にしたりすると付加価値が上がるのですが、やはりあの物量という観点で見ればそこまで強くありません。

一方で過去の推移を見ると銅価格の上昇というのを恩恵を受けていまして、この2008年頃というのは石油を始め様々な資源価格が高騰した時だったのですが、利益に関してもかなり高いものとなっています。

これと株価を合わせてみますとその2008年頃にはやはりかなり大きく高騰しているということがあります。

一方でこの精錬のビジネスモデルというのも結構難しいです。

ずっと価格が伸び続けるなら良いのですが、決してそんなことはなくてこれはつまり物を仕入れて、それに付加価値を付けて売るビジネスモデルなので、最初は安い価格で買っていた物を時間差で高く売って、その分利益が一時的に増えるということはあるのですが、やがてはこの仕入れ価格というのも上がってしまうので、今度はその分利益が削られるということになってきます。

そしてその資源価格の下落がそのタイミングで来てしまうと、今度は逆で価格下落と高い仕入れ価格というので大きな赤字を記録してしまうということが往々にして起きます。

実際にこうやって見ると大きなブームが来た後は、今度は逆に大赤字を記録するというような状況にもなっています。

なので、かなり一時的な上昇をを目指す銘柄ということになります。

条件としてはやはり銅価格の上昇があって、しかもエグジットのタイミングを見極めなければならないということです。

なので、かなりハードルは高い投資かなという風には考えます。

ましてもともと利益率が高くないですし、成長し続けている訳でもないので、なかなか大変ということはあります。

1つ可能性としてあるならば、直近に中期経営計画を出しました。利益が低いと言いましたけれども、その中には大企業に特徴的なのですが、収益性の低いビジネスも結構含まれていたりします。

それらを売却してそして付加価値の高いところに集中することができれば、利益率も上げていくということが想定できます。

そちらに期待するなら長く持てる銘柄とも言えるのですが、ただ過去の推移を見る限りではそういった銘柄ではありません。

投資家として冷静になれば、やがて赤字になってしまうということは見えてくるのですが、ただ長期的に上昇し続けるなら、しばらく上がり続ける可能性もあるのかなというところではあります。

Next: 銅の恩恵を受ける銘柄「住友金属鉱山」の将来性は?

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