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LINE問題で株価下落、親会社Zホールディングス株は割安か?2事業がお荷物、成長拡大の条件とは=栫井駿介

苦戦中の事業をどう伸ばす?

では、どうやって伸ばそうとしているのか。

これはヤフーの説明資料からですが、広告に関しては今まで通り少しずつ伸びていくのではないかという形です。利益には必ずしもなってないのですが、eコマースショッピングに関しても伸ばしていこうとしています。これはZOZOを買収したように、他も色々と買収して伸ばしていくという可能性もあるのではないかと思います。ZOZOやアスクルなどを買収してきました。

今後もヤフーのショッピングを強くしようと思ったら、その辺を買うということもまだ十分に考えられます。そして先ほど説明したようにお店から広告費用を取って、そこを収益化していこうというようなことが想定されます。

あとはフィンテックです。銀行とかその辺もあるのですが、1つ大きな可能性としてあるのは、PayPayを通じた個人への融資といったことが考えられます。すでに中国ではそういったことが行われているのですが、PayPayの支払い履歴とか、あるいはPayPay銀行の利用履歴などから、この人は信用があるのかどうかということを判断して、じゃあこの人だったら金利いくらで貸せるのかということをAIで判断して、お金を貸すというような仕組みが中国ではでき上がっていて、アリババ、アリペイの最大の収益源になっているわけです。

同じことをやろうとしているのではないかと思うのですが、日本ではまだ先は長いなという風にも考えられます。認可的な話もありますし、またそのやり方が果たして日本人に馴染むのかというような問題もあります。

さらなる成長には飛び道具が必要

業績は伸びるのかという疑問に関しては、少しずつは収益化していくことによって伸びるのでしょうけれども、大きく伸びるには、やはり飛び道具が必要になるのではないかという風に考えられます。

飛び道具というのは、例えば利益を出せるサイトの買収、今「BASE」といって新興企業で非常に簡単にショッピングサイトを作れるプラットフォームを提供している会社があります。この会社は決済まわりなんかもやっていて、それも使いやすいということで非常に評判が良いです。プラットフォームを利用して大きくするということが1つ考えられるのではないかと思います。ZOZOもこの内のひとつだったりします。

それから、PayPayを活用した、前述したような金融事業。時間がかかりますし、本当に上手くいくかどうか日本では分からないのですが、これで融資をすることができれば、ちゃんとリスクも測れて、そして金利が取れるということで美味しい事業になる可能性は秘めています。

またこの辺のデータを蓄積して、この人はすごく服に興味があって、PayPayで服をすごく買っているというようなことになると、そこに服の広告を流すといったソリューションも考えられます。

また法人領域の強化というのもあると思います。今ヤフーは法人に関しては実はあまり強くありません。ここでPayPayを皮切りに法人の決済とか、今テレワークなどで色んなシステムの会社がありますが、その辺に力を入れるということも1つ考えてはいいのではないかという風に見えます。ヤフーというと信用があるので、リクルートなんかともパッティングするとは思うのですが、この辺も必要になるということではないかと思います。

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