現物資産のトークン化が進んでいる分野
これが現物資産のトークン化のメリットである。次に、トークン化が進んでいるいくつかのエリアを見てみよう。以下のような分野でトークン化が進行している。
<(1)ゴールドのトークン化>
いまトークン化が進められている分野のひとつが、ゴールドである。ゴールドはあらゆる単位に分割が可能なので、所有権を分割するために使われるトークン化という手法がなぜゴールドに導入されるのか分からないという印象を持つかもしれない。しかしながら、トークン化のメリットはとても大きいのだ。
ゴールドの取引の場合、問題になるのがゴールドの安全は保管場所である。もちろん銀行の貸金庫のような施設を使うこともできるが、それなりの手数料を支払わなければならない。このようなとき、所有権をトークン化して、それをウオレットに保管すると、ゴールドを物理的に所有する必然性はなくなる。トークンによるゴールドの所有権が保証されているからだ。
<(2)不動産のトークン化>
ゴールドと並んでトークン化が期待されている分野が不動産である。土地などは小さなな単位に分割が可能なので、あえて所有権をトークン化して分割する必要性はないように思うかもしれないが、実はそうではない。不動産の取引には相当な仲介手数料がかかる。国によって異なるが、ときとして手数料は不動産価格の3%を越えることもある。これはあまりに高額な手数料だ。
そこで不動産をトークン化し、これをウオレットで取引できるようになれば、この大きな仲介手数料を削減することができる。不動産のような高額な資産では、こうしたトークン化のメリットはとても大きい。
<(3)芸術作品のトークン化>
トークン化による所有権の分割が期待されるもうひとつのエリアが芸術作品である。また、仲介者による取引手数料も要求されないので、大幅な取引コストの削減も実現できる。これで高額な芸術作品の高い流動性が実現できるので、芸術作品の市場は活性化するはずだ。
すでに稼働しているプロジェクト
これが、現物資産のトークン化の現状だ。この分野ですでに稼働しているプロジェクトをいくつか紹介しよう。
この分野の多くのプロジェクトは、さまざまな現物資産のトークン化を行い、これを販売するプラットフォームだ。したがって、現物資産をベースにしたトークンはその都度発行しているものの、プラットフォーム自体の独自はトークンの発行はしていないところが多い。また、分割した現物資産の所有権をすべてビットコインやイーサリアムのような既存の仮想通貨で販売しているところもある。
<初月無料購読ですぐ読める! 4月配信済みバックナンバー>
※2021年4月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- 第159回 現物資産のトークン化とブロックチェーン その1(4/13)
- 第158回 NFTとブロックチェーン その2(4/6)
※有料メルマガ『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』好評配信中。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込1,100円)。
- 第157回 NFTとブロックチェーン その1(3/30)
- 第156回 デリバティブとブロックチェーン その2(3/23)
- 第155回 デリバティブとブロックチェーン その1(3/16)
- 第154回 分散型金融(DeFi)とブッロクチェーン その2(3/9)
- 第153回 分散型金融(DeFi)とブッロクチェーン その1、ビットコインの状況(3/2)
- 第152回 ビットコインはどこまで上がるのか?いま人気のプロジェクト(2/23)
- 第151回 出版とブロックチェーン その2(2/16)
- 第150回 出版とブロックチェーン その1(2/9)
- 第149回 FXとブロックチェーン その2(2/2)
- 第148回 FXとブロックチェーン その1(1/26)
- 第147回 資産管理とブロックチェーン その2(1/19)
- 第146回 ビットコインはどこまで上がるのか?資産管理とブロックチェーン その1(1/12)
- 第145回 2021年に注目されているプロジェクト(1/5)
- 第144回 グレート・リセットと仮想通貨の高騰、新しいコンセプトの取引所 その2(12/29)
- 第143回 グレート・リセットと仮想通貨の高騰、新しいコンセプトの取引所 その1(12/22)
- 第142回 飲食業界とブロックチェーン その2、ディエムとはなにか?(12/15)
- 第141回 飲食業界とブロックチェーン その1(12/8)
- 第140回 観光業と旅行業で発展するブロックチェーン その2(12/1)
- 第139回 観光業と旅行業で発展するブロックチェーン その1(11/24)
- 第138回 不動産業で発展するブロックチェーン その2(11/17)
- 第137回 不動産業で発展するブロックチェーン その1(11/10)
- 第136回 教育産業で発展するブロックチェーン その2(11/3)
- 第135回 教育産業で発展するブロックチェーン その1(10/27)
- 第134回 再生可能エネルギーで発展するブロックチェーン その2(10/20)
- 第133回 再生可能エネルギーで発展するブロックチェーン その1(10/13)
- 第132回 医療で発展するブロックチェーン その2(10/6)
- 第131回 医療で発展するブロックチェーン その1(9/29)
- 第130回 自動車産業とブロックチェーン その2(9/22)
- 第129回 自動車産業とブロックチェーン その1(9/15)
- 第128回 顔面認証とブロックチェーン その2(9/8)
- 第127回 顔面認証とブロックチェーン その1(9/1)
- 第126回 介護とブロックチェーン その2(8/25)
- 第125回 介護とブロックチェーン その1(8/18)
- 第124回 いまもっとも人気のあるプロジェクト(8/11)
- 第123回 ペットとブロックチェーン(8/4)
- 第122回 ヘルス・パスポートとブロックチェーン その2(7/28)
- 第121回 ヘルス・パスポートとブロックチェーン その1(7/21)
- 第120回 グレートリセットとブロックチェーン その2(7/14)
- 第119回 グレートリセットとブロックチェーン その1(7/7)
- 第118回 VRやARとブロックチェーン その2(6/30)
- 第117回 VRやARとブロックチェーン その1(6/23)
- 第116回 映画産業とブロックチェーン その2(6/16)
- 第115回 映画産業とブロックチェーン その1(6/9)
- 第114回 番外編 そもそもコインとトークンはなにが違うのか?上昇しているトークンの紹介(6/2)
- 第113回 パンデミック封じ込めのためのブロックチェーンとAI その2(5/26)
- 第112回 パンデミック封じ込めのためのブロックチェーンとAI(5/19)
- 第111回 パンデミックに対処するためのプロジェクト その2(5/12)
- 第110回 パンデミックに対処するためのプロジェクト その1(5/5)
- 第109回 もっとも注目されているICO その2(4/28)
- 第108回 もっとも注目されているICO(4/21)
- 第107回 貧困者支援とブロックチェーン その2(4/14)
- 第106回 貧困者支援とブロックチェーン(4/7)
- 第105回 パンデミックとブロックチェーン その2(3/31)
- 第104回 パンデミックとブロックチェーン その1(3/24)
- 第103回 ICOの現状といまもっとも信頼できるプロジェクト(3/17)
- 第102回 現在実施されているSTOのプロジェクト その2(3/10)
- 第101回 アート分野のSTO その2、現在実施されているSTOのプロジェクト(3/3)
『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』2021年4月2日号より一部抜粋
※記事タイトル・リード文・本文見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン
[月額1,100円(税込) 毎週火曜日]
昨年から今年にかけて仮想通貨の高騰に私たちは熱狂しました。しかしいま、各国の規制の強化が背景となり、仮想通貨の相場は下落しています。仮想通貨の将来性に否定的な意見が多くなっています。しかしいま、ブロックチェーンのテクノロジーを基礎にした第四次産業革命が起こりつつあります。こうした支店から仮想通貨を見ると、これから有望なコインが見えてきます。毎月、ブロックチェーンが適用される分野を毎回紹介します。