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GDP戦後最悪でも株価上昇。日本が世界経済「正常化」を先取りして大丈夫か?=久保田博幸

内閣府が発表したGDPの速報値によると、20年度のGDPはマイナス4.6%と戦後最悪の落ち込みとなりました。なのに株価は上昇、やや先取りし過ぎとも取れます。(『牛さん熊さんの本日の債券』久保田博幸)

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20年度GDP、リーマン・ショック超え下落で落ち込み幅「過去最悪」

18日に発表された2021年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比1.3%減、年率換算で5.1%減となった。マイナス成長は3四半期ぶりとなる。

2020年度では前年度比4.6%減となり、落ち込み幅はリーマン・ショックがあった2008年度の3.6%減を超え、戦後最悪となった。

ただし、政府の見通しの5.2%までの落ち込みとはならなかった。

落ち込む個人消費。4〜6月のGDPも期待できない

1~3月期の個人消費は前期比1.4%減。1月8日に首都圏1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に対して2度目の緊急事態宣言が発出され、この緊急事態宣言を受けた外出自粛や、飲食店での時短営業などが消費を抑制した。

設備投資も1.4%減となり、2四半期ぶりにマイナスになった。4.3%増加だった10~12月期の反動減もあった模様。

3度目の緊急事態宣言の影響により、今年の4月から6月までのGDPも伸び悩みが確実とみられ、2期連続でのマイナスの可能性がある。

日本でも新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったものの、摂取率は世界のなかでもかなり遅れている。接種が進んだ国では、正常化に向けた動きも出ている。

米国のニューヨーク州は新型コロナウイルスワクチン接種を完了した人についてはマスク着用義務を免除する方針とも伝えられた。

それでも上昇する日本株

18日の東京株式市場はGDPは過去の数字として認識されてかほとんど材料視されず、むしろ大きく買われ、トヨタ株などは上場来高値を更新した。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

トヨタ自動車<7203> 週足(SBI証券提供)

トヨタ自動車<7203> 週足(SBI証券提供)

世界的な景気の正常化を先取りしたかのような動きながら、日本のGDPを見る限り、先取りしすぎているようにもみえなくもないのだが。

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image by:Distinctive Shots / Shutterstock.com

牛さん熊さんの本日の債券』2021年5月18日号より
※記事タイトル・リード文・本文見出しはMONEY VOICE編集部による

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