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「6月のドルは強い」米雇用統計が示した展望。市場予想との比較が無意味な理由=角野實

G7財務相会合で為替についての合意は行われているはず

G7の財務相会合では何等かの為替に対してのアクションがあると考えていましたが、いまだに、そういうことをコメントする首脳はいません。でも、必ずされているはずですから、きちんとニュースをチェックするほかありません。
※参考:G7財務相会合、為替に関する2017年5月の合意を再確認=麻生財務相 – ロイター(2021年6月5日配信)

そうでなければ朝からドルが強くなり、そして週末にビットコインが急落をする必要がありません。ビットコインが急落するのはドルが強くなった、金融緩和縮小に関するなんらかのニュースがあるからで、それを先取りした動きになると思います。

参考までに、ビットコインはドルを中心に動いていますので、ドルは週末に動きませんのでたいていは土日に急騰・急落しても、月曜日には元の値段に戻っているということを忘れてはいけません。なお、バブルで高騰が強いときや、マーケット崩壊のときはその限りではありません。関係なく土日の値段を超えてきます(笑)。こういう状態にビットコインが陥ったときは、通常の株や為替も要注意です。

つまり、何もG7の首脳からはコメントはありませんが、なんらかの合意はあるとみなければいけないということです。なんらかの合意があると仮定して、それに関するニュースが出てくれば、そのニュースにあったシナリオを組みなおすという作業をすればいいだけの話です。

朝からドルが強いのなら、とりあえず、ドルを買う(ドル円のことではない)作業を行い、現実に即応してポジションを構築するしかありません。コメントが自分の思う方向であれば、ポジションを増し、そして、期待外れ、もしくはぜんぜん違う方向であれば、手仕舞い、玉の一部手仕舞いを検討することになります。

こういう仮定のシナリオからマーケットにエントリーすることも大事なことで、ビットコインの急落などの証拠を見ると、ドルに関する、ないしは金融緩和縮小に関する合意がある可能性は高いのです。

国際法人税のおかげで「Amazon」「Uber」が勝ち続けている

そのほか、G7財務相会合では国際的な法人税率を15%以上とすることなどで合意したと報じられています。

これは、たとえばAmazonやUberは日本で法人税を払っていません。これだけ日本のインフラを利用しているのに、その法規を守らないウーバーの配達員、事故が起これば警察を呼ぶと思いますが、その費用負担を両社とも負っていないのです。個人的にはおかしいと思います。

税金の負担がないのですから、Amazonのサービスが日々進化するのは当然の話であり、ほかのネット通販が太刀打ちできないのは当然の話です。法人税20%・消費税10%を負担しないのですから、ほかのネットショップよりも30%のアドバンテージがあるわけです。勝って当たり前の話なのです。

たまにこういう話をしていますが、こうやってコロナで財政が真っ赤で、これから我々の税負担が増えるのは間違いない時代です。こういう国際的な取り組みは歓迎する内容で、バイデンのリーダーシップが確立されつつあるようです。

バイデンは個人的にはあまり好きではないのですが、評価するべきことはきちんと評価するべきで、嫌いだから何もかも評価をしない、という人がよくいますが、それは間違いです。

マーケットをやるうえでは公平な評価というのは大事なことです。

Next: 今後のドル円の展望は?2つの指標に要警戒

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