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菅首相「私は主催者ではない」の本音。五輪もワクチンも自分で決められぬ日本の脆さ=斎藤満

株式市場もワクチンに期待

株式市場にもワクチン期待が高まっています。これまでは「主要国の中で最もワクチン接種率が低い日本」が日本株の頭を押さえていましたが、ワクチン接種率が10%を超えれば、経済の正常化期待を先取りして株価が上がる、との見方が広がっています。

ワクチン接種回数が1,000万回を超え、株式市場にも政府にもワクチン期待が高まっています。

しかし、ワクチンがコロナ感染だけでなく、株式市場や経済に対しても万能薬と考えられている節がありますが、これは危険を伴います。

ワクチンがすべてを解決してくれるわけではありません。

ワクチンは特効薬ではない

確かに緊急事態宣言で一部の経済活動を規制し、ワクチン接種が進む中で、大阪や東京では新規感染者数が減少を見せています。

大阪では1日の感染者数が一時1,000人を超えていましたが、最近では200人以下にまで減少しています。

しかし、そのなかでも1日の死者の数は高水準を続け、日本全体では 100人前後の日が続いています。特に医療ひっ迫が進む大阪、兵庫、北海道などが厳しい状況にあります。

感染者数の動きと重症患者数、死者の数にはズレがあるにしても、犠牲者の数が減るところまで行っていません。依然として医療危機にある地域が少なくありません。

感染してしまった人を何としても助ける手立てが必要です。医療体制の確保と言っても、人のやりくりがつかずに限界というのが近畿地方や沖縄で報告されています。

またワクチン接種の進展で新規感染者数が劇的に減少した英国でも、実は今でも1日の感染者数が3,000人前後という状況が続いています。これは現在の日本の水準と変わりません。

ワクチンが半分以上の成人に行き渡っても、変異株の影響か、感染の封じ込めには至っていません。ここでもワクチンが特効薬ではないことを示唆しています。

抗ウイルス薬の併用が不可欠

従って、コロナ対策としては、ワクチンに全面依存するわけにいかず、併せて抗ウイルス薬によって、感染してしまった人の救済が必要になります。

現在では医療のひっ迫もありますが、軽症者には薬の投与もないまま「様子見」とされています。重症化したら入院加療というのでは、リスクが大きすぎます。軽症のうちに適切な処置を講じ、重症化する前に完治させることが重要です。

その点では以前から指摘している抗ウイルス薬の早めの投与が重要な役割を果たします。

Next: なぜ厚労省は治療薬を承認しない?このままでは手遅れになる

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