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中国「eスポーツ」の独走に日本は追いつけるか?2022年アジア競技大会の公式種目入りで市場急拡大、北京大学が選手育成に本腰

急拡大期に入った中国eスポーツの沿革

eスポーツの簡単な沿革を記載します。大きく4つの期間に分けられます。

<(1)1998年~2008年:開拓期>

・eスポーツゲームの第一弾が中国に登場
・イベントが各地で開催され始める
・中国でeスポーツクラブが誕生

<(2)2009年~2013年:発展期>

・中国eスポーツ協会設立
・ゲーム会社がeスポーツイベント多数開催

<(3)2014年~2017年:成長期>

・ライブストリーミングeスポーツ開始
・eスポーツ大会や、専門企業が多数設立

<(4)2018年以降:急拡大期>

・杭州アジア競技大会の公式協議へ
・eスポーツモバイルゲームが続々誕生
・eスポーツ産業の整備が進展
(例、eスポーツの職業基準が設定)
・eスポーツのプロ選手、トレーナー誕生
・eスポーツの商業化加速

どうやって発展してきた?

では、どうやって中国のeスポーツは発展してきたのでしょうか。これも4つ動きで説明ができます。

<(1)政策のサポート>

多くの地域で有利な政策が発表されました。上記の2022年杭州アジア大会の公式競技として承認される等が典型的な例です。

<(2)eスポーツのプロ規範・基準の設定>

「全国職業能力開発促進法に基づくeスポーツ選手のための国家職業技能基準」が公開されました。これにより、eスポーツを職業として収入を得る人の基準が定められた形です。また、中国国家eスポーツサッカーチームが設立されました。

<(3)eスポーツイベントの多様化・大衆化>

現在、中国各地で様々なeスポーツイベントが開催されています。また多くのゲーム会社がこぞってeスポーツ専用ゲームの開発に取り組んでおり、eスポーツの知名度・競技人口は増加しています。

<(4)eスポーツ派生コンテンツ隆盛>

映画、テレビ、漫画、アニメ、音楽等、eスポーツの関連コンテンツが、知的財産権ビジネスを加速させています。

盛り上がるeスポーツ関連投資

eスポーツ関連の投資は2011年から上昇。ライブストリーミング事業への投資が増加した2017年、2018年にピークを迎えました。

その後はやや減少基調だったものの、コロナ禍で外出なしでの健康管理や、人とのつながり(コミュニティ管理)の観点で、様々なEコマースイベントが開催され、世界的な注目を集めました。

eスポーツコンテンツは、引き続き、ホットな投資対象となっています。

<(1)2017年>

・投資件数:86件
・投資額50億元(約862億円)
・投資された代用例:DouYu, PandaTV等

<(2)2018年>

・投資件数:42件
・投資額100億元(約1788億円)
・投資された代表例:Huya、BIXIN等

<(3)2019年>

・投資件数:19件
・投資額9億元(約150億円)
・投資された代表例:Victory Five、WUCG等

<(4)2020年>

・投資件数:21件
・投資額23億元(約396億円)
・投資された代表例:All Games、MAX esports等

Next: 中国政府も全力支援、今後はどう発展する?日本は追いつけるか

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