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日本株はジャクソンホールでどう動く?こつこつ上昇後の急降下が「菅おろし」まで繰り返す展開も=馬渕治好

日本株の立ち上がりには時間がかかる恐れ

また、総裁選に高市前総務相が名乗りを上げようとの意向を示しています。

高市氏は「アベノミクスを継承する」「財政支出は柔軟に拡大する」「3本目の矢は規制緩和・構造改革より投資」(「投資」が何を指すのかは不明ですが)と語っており、そうした姿勢が海外投資家に好感「されれば」、日本株にプラスになる展開が想定されます。

ただ、日本株については、余りにも心理的な呪縛が強いです。このため、「過ぎし花」で述べたように、日本株の立ち上がりには時間がかかる恐れがあります(大きな下振れも想定していませんが)。

それまで当面は、こつこつ、こつこつと、時間をかけて何とか千円幅くらい日経平均が上がると、ちょっとした不安要因で、ドン、と900円くらいあっという間に下がる、そこからまたこつこつ、こつこつと千円くらい上がるとまたドン、と900円くらい下がる、ということを繰り返すのかもしれません。せっかく時間をかけて積み上げたものが、一気に崩壊する、というのは、あたかも賽の河原の石積のようです。

残念ながら、日本株の投資家は、しばらくは賽の河原の子供たちのように、鬼にいじめられながら、地道に忍耐強く石積みを続けざるを得ないのでしょう。お地蔵さんが助けてくれるまで、もう少し時間がかかりそうです。

中長期シナリオ結論(2021/08/22時点)

<中期シナリオ~2021年末に向けて>

経済や企業収益の回復は、かなり明確になってきた。ただし、回復基調は、これから極めて緩やかだろう。したがって、だいぶ将来までの企業収益回復を織り込んでいる株価の高さと、実体経済の低空飛行の差が、高PERという形で表れている。だから株価が基調として下落に向かうかといえば、そうではなく、市場は、上の位置で実体経済・企業収益が追い付いてくるのを待つだろう(結果として、時間をかけてPERが低下する)。主要国の財政・金融政策も、景気と株価の下支えに働いている。

2021年を通じて、主要国の株価や外貨相場(対円)は、短期的な上下の振れを繰り返しながらも、諸データに示される緩やかな世界経済の回復を踏まえながら、基調としては、持ち合いに上昇の色合いがついたような、じわじわとした株高・外貨高傾向を続けるだろう。

ただし日米の株価動向を比較すると、米国では、企業収益予想値の上方修正が急速であることに比べ、株価の上昇速度は緩やかで、結果として予想PERが総じて低下傾向にある。すなわち、株価の上昇が企業収益の改善に比較して控えめであり、その分、株価のさらなる上昇余地がある。とは言っても、米株価指数は史上最高値の更新を最近まで続けてきたため、基調としての株価上昇速度は一段と緩やかだろう(これから上昇の最終局面を形成しよう)。

一方日本株は、最近の株価下落で予想PERは低下し、割高感はない。企業収益も輸出大企業製造業中心に改善が進んでいる。ただし、「中国リスク」(幅広い分野での中国に関するリスク)や国内政治情勢などが不透明で、しばらくは一進一退から二進一退へ、といったような形となり、株価が上昇基調を明確にするにはまだ時間が必要だろう。当初は引き続き米国株が先行する株価上昇、年末が近づくにつれて日本株が挽回、という展開を予想する。

日経平均株価は、短期の底値形成を終えて、年末に3万円超えまで戻るにとどまろう。今年2/16(火)に既に付けた高値(終値で3万467.75円、ザラ場高値で3万714.52円)を今後上回るかどうかは、微妙な情勢だと判断する。また、3万円を超えられない可能性もある。ニューヨークダウ工業株指数は、年末までに3万7,000ドル前後に達すると見込む。

外国為替相場については、徐々に世界経済が明るさを増す中で、外貨高・円安基調を予想する。外貨の中では、投資家のリスク回避姿勢が薄らぐと期待されることから、これまで優位であった米ドルより、ユーロや豪ドルなど、非米ドル通貨の方が、対円での上昇力が高いと予想する。

Next: 「2022年まで」と「2023年以降」の長期シナリオは?

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