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次の衆院選も「消去法で自民」か。立憲・枝野氏の“アベスガ疑惑暴露”戦略が政権交代を阻む理由=斎藤満

菅再選シナリオが崩れる

このため、一時は自民党の二階幹事長が菅続投を企て、総裁選への立候補を考える人に圧力をかけて、無投票再選のシナリオを描いていましたが、これが崩れました。安倍・麻生ラインも、これまでの菅続投支持から、菅降ろしに転換したようです。

実際、安倍陣営から下村博文政調会長が立候補の意向を示し、高市早苗前総務大臣も立候補を表明しました。

永田町では菅総理を「顔」に選挙すれば、100議席以上失う、との懸念が広がっています。再選を狙っている菅総理自身も、総裁選には立候補する意向ですが、さすがに自信を喪失したように見えます。安倍陣営の本命は岸田氏とみられます。

いずれにしても「選挙管理内閣」を組成し、衆議院選挙後には改めて新体制をとるとの見方が永田町には根強くなっています。

二階派には菅総理に見切りをつけ、石破元幹事長で「選挙管理内閣」をつくり、その後「小池総理」にバトンタッチするとのシナリオがあったようですが、東京都の感染爆発、医療崩壊で小池都知事の評価も下げています。

現時点では「つなぎ」も「ポスト菅」の本命も見当たらず、総裁選も迷走状態です。総理周辺では衆院選の勝敗ラインを、「自公合わせて過半数の233議席」まで下げていると言いますが、これを下回る可能性すらあります。

既存野党では受け皿になれず

それほど与党も現在の状況を厳しく見ています。

政権交代を狙う野党からすれば、まさに千載一遇のチャンスとなります。菅政権の自滅によって、政権奪取のチャンスが天から降ってきたわけで、これを逃すともうチャンスはやってこないかもしれません。

それだけ野党第一党の立憲民主党には勝負の選挙となりますが、枝野代表の戦略がいかにも的外れの印象です。

ネット・インタビューで枝野代表は、選挙公約にモリカケ、桜から五輪経費まで、政府がこれまで隠ぺいしてきたものをすべて暴露し、国民の前にさらけ出すと述べています。

これができれば安倍前政権、菅政権にとってダメージが大きくなるのはわかります。実際、「赤木ファイル」の存在が、安倍前総理の動きを止めたのも事実です。

しかし、ここには2つの問題があります。

1つは、これまで政府が隠ぺいしてきた情報を、「文春砲」、「米国諜報機関」の助けなしに、立憲民主党、枝野氏が引き出せるのかという点。

さらに、大きな問題は、菅政権を追い込んだ現在の「危機」に際して、一国のリーダーとして求められるのは強いリーダーシップをもつ「危機の宰相」であって、評論家・批判だけの万年野党ではないことです。

Next: いま求められているのは強いリーダー。「消去法」で自民勝利?

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