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韓国を襲う中国減速・債務急増・人口急減の三重苦。文政権批判は「言論仲裁法」で封殺へ=勝又壽良

借金好きが利上げで首しめる

2)家計と企業の抱える債務が、パンデミックの影響を受けて急増していることも気懸りである。昨年3月末に、GDPと比べた民間(家計・企業)の負債規模が、初めて200%を超えた。

企業債務の増加は、企業の設備投資を抑制する。家計では、個人消費を抑制する。現在、中国の個人消費が不振なのは、高額な住宅ローンによって返済が優先されている結果、消費支出が落込んでいるものだ。韓国でも、同様なことが起るはずである。

韓国では、パンデミックによって政策金利が年利0.5%まで引下げられた。これが、家計債務を急増させた理由だ。

20代の銀行ローン残高は、文在寅(ムン・ジェイン)政権の4年間で2倍以上に増え、ますます膨らんでいる。昨年1年間で20代への銀行貸付残高は36.1%増加した。全年齢の平均増加率(11%)を大幅に上回った。30代への銀行貸付残高も1年間で17.5%増加した。専門家は20~30代の借り入れは、大半がマイホーム購入や株式・仮想通貨への投資にも投じられたと推定されている。

若者が、ここまで「借金漬け」になって借入れに走ったのは、住宅価格が暴騰したことが主因である。文政権になった4年間で、ソウルの住宅価格は80%もの上昇である。朴政権5年間では数%に止まった。

この差は、何が原因であるのか?文政権は、住宅供給について関心を持たず、需要抑制だけに傾斜した結果である。住宅需給のアンバランスが、価格暴騰の引き金になるという原則を忘れたお粗末さである。

韓国銀行は、8月26日に政策金利を0.5%から0.25%ポイント引き上げた。第二弾、第三弾の引き上げも予想されている。不動産価格の抑制が目的だ。

この利上げ措置によって即日、NH農協銀行は新規住宅担保貸出と伝貰(チョンセ、家賃の代わりに入居時に高額を預ける賃貸方式)貸出を全面中断した。銀行、貯蓄銀行、保険およびカード・キャピタル会社の信用貸出限度も縮小されるなど、「貸出の崖」が急速に広がっている。

この掌返しのような金融引締めは、経済活動を窒息させるに等しい行動である。これまでは、低金利でジャブジャブ貸し付けてきたのが、突然の方向転換である。「慣性の法則」的に言えば、金融ショックが起こって当然であろう。さらに、年内に第二、第三の引上げが予想されている。消費動向に影響が出るのは致し方ない。

家計債務急増が出生率引下げ

3)家計債務の急増が、結婚や出産に悪影響を及ぼし、出生率の急低下を招いている。これは、韓国の将来に大きな影響を及ぼす問題である。

韓国の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に出産する子どもの数)は昨年、「0.84」と世界最低記録を更新した。今年は、パンデミックの影響によってさらに低下して「0.7台」へ。

来年は、前記(2)のような金融情勢の急変も手伝って、結婚・出産が遠のき「0.6台」という超悲観的な予想まで飛び出している。

韓国の人口専門家は、「2020年出生・死亡統計」を見て、総人口が4,000万人台へ減る時期を当初予想(2044年)より10年程度早まる恐れがあるとしている。学齢人口の減少にともなう教師就職難の深化、労働力の高齢化による労働生産性の低下など、「人口リスク」も大きくなるだろうと見ている。

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