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韓国を襲う中国減速・債務急増・人口急減の三重苦。文政権批判は「言論仲裁法」で封殺へ=勝又壽良

韓国を買ってすぐに売ったジム・ロジャーズの「誤診」

世界三大投資家といわれたこともあるジム・ロジャーズは、この南北統一論を材料にして、「韓国買い・日本売り」ではしゃいでいた時期がある。一昨年以来、彼のこの主張に対して、私は真っ向から批判した。その後のロジャーズは、韓国株を売り払っている。当然である。

ロジャーズのこうした誤診は、北朝鮮の地下資源に対する高い評価にあった。現代における国富の源泉は、地下資源よりも科学技術力の発展性にある。地下資源の争奪戦は、帝国による植民地時代の話である。

中国は、今もこの流れを引継いでいる。南シナ海での島嶼占領や尖閣諸島奪取方針は、すべて地下資源獲得目的である。外交感覚が狂っているのだ。

韓国進歩派は、ロジャーズと同じで北朝鮮の地下資源を活用し、かつ北朝鮮人口を加えれば、ドイツなど欧州主要国並みの人口規模に達して、十分に日本と対抗できると踏んでいる。現実には、そうした計算が、いかに間違っているかを証明し始めている。

「三重苦」に苦しむ韓国経済

それは、次の3つの要因が韓国経済を襲ってきたことだ。

1. 韓国輸出の1位を占める中国の経済成長率が、予想外の急減速に見まわれる
2. 家計と企業の抱える債務が、パンデミックの影響を受けて急増している
3. 家計債務の急増が、結婚や出産に悪影響を及ぼし、出生率の急低下を招く

それぞれコメントしたい。

1)韓国輸出の1位を占める中国の経済成長率が、予想外の急減速に見まわれる問題について考えたい。

韓国の貿易(輸出入)では、下記のデータのごとく、中国のウエイトが断然高く1位である。これは、中国経済が「クシャミ」すれば、韓国が「風邪を引く」という密接不可分な関係あることを示している。韓国が、米韓同盟の存在にもかかわらず、「二股外交」を行っている理由はこれだ。この中韓の経済的な密着が、今後の韓国経済にいかなる影響を及ぼすかである。これについては、後で取り上げたい。

韓国輸出の主要国は次の通りである(2017年)
中国:25.1%
米国:12.2%
ベトナム:8.2%
香港:6.9%
日本:4.7%

韓国輸入の主要国は次の通りである(2017年)
中国:20.5%
日本:11.5%
米国:10.5%
ドイツ:4.2%
サウジ:4.1%

輸出入関係から分かることは、韓国が中国へ素材などの中間品を輸出して加工し、韓国へ輸入する形が見て取れる。中韓の相互依存度が、極めて高いことを示す。

韓国は、日本から素材などを輸入しているが、製品を輸出する垂直型にはなっていない。韓国は、日本製品の主要輸入先であっても、主要輸出先でないという典型的な「片務」貿易状態だ。韓国が、一方的に貿易赤字を累積する構造である。これこそ、日韓産業構造の違いを見事に証明し、技術格差の存在を浮き彫りにしている。

問題は、中国経済の動向が急におかしくなってきたことだ。パンデミックによる都市封鎖によって、個人消費が振わない。同時に、最近の習近平氏によるテック産業規制強化で16歳から24歳までを対象とした7月の失業率は、過去最高となった前年同月の16.8%よりは低かったものの、なお16.2%と高止まりしている。李中国首相は、2025年まで高い雇用圧力が解消しないと発言しているほどだ。

これは、クレジットインパルスという指標でも判断できる。新規貸出の増加率と経済成長率を対比して、拡大か縮小かを見るものである。このクレジットインパルスにより、投資・消費が促されるか、縮小するかが明らかになる。

23年秋までは、クレジットインパルスの回復が望めず、その後、実態経済回復まで約12ヶ月の遅れがあるので、中国経済が回復軌道に乗るのは、25年が想定される。李首相による「25年まで雇用圧力が続く」との予測は正しいのだ。となると、韓国の対中輸出は当然、落込むであろう。

韓国調査機関の推計によれば、中国のGDPが1%ポイント低下すれば、韓国のGDPは0.5%ポイントの低下とされている。キャピタル・エコノミクスは、中国のGDP成長率が2030年までに2%へ減速すると予想している。これは、米国の潜在成長率にほぼ等しい水準へ低下する。中国経済がここまで減速すれば、韓国の対中輸出は激減するであろう。韓国経済は、深刻な影響を受けるのだ。

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