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菅政権の通信簿「落第点」の報道は適正か?コロナ対応と経済政策は善戦、前政権や行政機構の遅さが足枷に=澤田聖陽

菅政権は発足から約1年で幕を閉じます。少し早いですが、その実績を政策ごとに独断と偏見で評価したいと思います。大手マスコミによる評価「落第点」は言い過ぎでしょう。(『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』澤田聖陽)

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たった1年で終わった菅政権の通信簿は?

9月3日、菅総理は自民党の臨時の役員会で今月行われる自民党総裁選挙に立候補しないことを表明しました。

これにより9月末の任期満了で退任し、菅政権は約1年で幕を閉じることになります。

少し早いですが、菅政権の実績を、政策ごとに評価したいと思います。独断と偏見で点数を付けております。

(1)コロナ対策:評価60点

菅政管の1年間はずっとコロナ禍でした。

コロナ対応に多くの時間を取られ、支持率が低下して辞めざるを得なくなったのもコロナ対応への低評価が大きな原因になっていると思います。

菅政権のコロナ対応は、本当に落第点だったのでしょうか?

個人的には優秀とまでは言えませんが、以下のような理由で、少なくとも一部の大手マスコミが言うように落第点ではないと考えています。

<ワクチン接種を急速に進めた>

当初日本はワクチン接種について立ち遅れていましたが、接種が始まってからは予想を上回るスピードで進んでいます。

9月3日現在、総接種回数は1億3,305万8,203回、1回以上接種は7,346万4,874回、2回以上接種は5,959万3,329回となっており、1日の接種回数も100万回以上を維持しています。

<死亡者数は諸外国に比べて低いレベルに抑えている>

日本のコロナでの延べ死亡者数は1万6,359人(9月5日現在)となっており、デルタ株の感染が拡がっている直近でも1日数十人といった水準です(5月18日の218人をピークに右肩下がりとなっています)。

これは高齢者へのワクチン普及などの効果が大きいと思われます。

参考までに諸外国の数値と比較してみましょう。9月5日時点で、G7各国の直近7日間における人口100万人あたりの死者数は以下のような数値となっています。

アメリカ:33.0人
イギリス:11.7人
フランス:11.9人
イタリア:7.0人
カナダ:3.1人
ドイツ:2.6人

日本:3.2人

この数値を見れば、菅政権のコロナ対策は必ずしも失敗したとは言えないのではないかと思います(ちなみに同期間の中国の数値は0人であり、中国のコロナ対策を見習えという人がいますが、極めて信憑性の薄い数値だと言わざるを得ないでしょう)。

アジア系は人種的にコロナ耐性が強いという見方もあるので、単純には比べられないという意見もありますが、数値から単純に評価をすれば、一部大手マスコミなどの論調である「明らかに落第」という評価は適正ではないように思います。

さりながら、すごく高い評価を付けるほどではなく「60点」という評価にしました。

Next: 「コロナ対策か、経済か」困難な舵取りを実行

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