原油高もすぐに解消?OPEC諸国が増産に応じないワケ
これを原油で考えていきます。
バイデン大統領は、サウジとロシア、主に「OPEC+」を批判をしています。しかし、「間違えているのはバイデンさん、あなたでしょう」というのが、私の素直な感想です。
前述のマスクの例でもわかるように、足りないからといって一生懸命に作ると、市場にそれを投入する頃には、もう値段が下がっているのです。
OPECは過去の数々のオイル危機で学習をしていますので、だいたい「もっと増産せよ」と言われるときがピークだということを、わかっているのです。
別にバイデンに意地悪をするために言うことを聞かないわけではなく、増産圧力が高まっているときに増産をしても、安い値段で売らなければいけないことがわかっているから、増産をしないのです。
おそらく、このまま価格が下がらなくても、増産はおそらくしないでしょう。
OPECというのは、最近は消費国の要望は聞かない傾向にあります。そもそも原油など世界中で有り余っていることは、彼らの方がよく知っているからです。
要は、誰かが寒い冬に備えて、買い占めをしているだけの話です。
米国のシェール業者も、過去に原油が高値をつけると一斉に増産をしたのですが、増産をし始めたときにはだいたい価格は下がってきているもの。
だから、今回は慌てて増産などしようとしません。ゆえにインフレが高進をするというのが、バイデンさんの主張なのです。
コロナ初期のマスク不足と同じ現象
みなさん、ここでよく考えてください。
マスクは、皆で「足りない、足りない」と騒いだときに、ものすごい勢いで中国が生産を開始して、どうなったのか。それを考えてみてください。
そして、同時期に紙製品(トイレットペーパーやティッシュ)も、原油と同じように潤沢に在庫があるのに、なぜか店頭から消えました(笑)。
マスクは大暴落をしていますが、紙製品は変わらずの値段です。
この間、紙製品のメーカーは消費者に落ち着いて購買するように求め、特段の増産などは行っていないと思います。
結果の価格をきちんとみてください。
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