定年後は預貯金を取り崩す年金生活に入ると考えている人がほとんどだと思います。もし、生きてる間に資産寿命が尽きてしまったら…?60代からでも資産運用を始める検討が必要です。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
60代から投資しても遅くない
ファイナンシャル・プランナーの私が「投資は、長期でしてくだいね」とお伝えすると、必ず「私は60代なので、もうダメですよね」と言う方がいらっしゃいます。
私は60代からでも、遅くないと思っています。なぜなら、寿命は年々延びているからです。
65歳の方の平均余命は、男性19.7年、女性24.5年です。
つまり、現在65歳の男性は84.7歳、女性は89.5歳で寿命を迎えるのが平均となっているのです。
定年後の65歳から20年くらいの老後生活があるのですから、60代でも長期投資はできるのです。
資産寿命を延ばす必要
「でも年金生活になったら、引き出さないといけないですよね?」という声が聞こえてきそうです。
60代から運用を始める場合は、預貯金の比率もある程度高くする必要はありますが、運用しながら引き出さないと「資産寿命」が延びません。
資産寿命とは何でしょうか?
2000万円問題に発展した金融庁の報告書から抜粋してみましょう。「資産寿命とは『生命寿命』や『健康寿命』と関連して、老後の生活を営んでいくにあたって、これまで形成してきた資産が尽きるまでの期間」と、記載されています。
簡単に言えば、資産を使い切る期間のことです。
単純に利回りが0.1%で運用されているのか、5%で運用されているのかでは、使い切る期間は、大きく違います。
例えば、1,000万円を毎月5万円ずつ取り崩した場合、0.1%の利回りだと16年7ヶ月で無くなってしまいます。
ですが、5%で運用されていれば?35年10ヶ月という長い期間、毎月5万円を使うことができるのです。
もちろん運用は、必ず5%の利回りとはいきませんが、ちゃんと投資を学べば、不可能な数字ではありません。長い老後を考えれば、運用しない方が危険な考え方なのです。
『教育貧困にならないために』(2021年12月12日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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