平均時給の数字と米国株の数字に注意
それでは、いつものように先行指標を見ながら、展望と戦略を考えていきましょう。
ご覧のように全体として数字は改善傾向にあり、まずまず強めの数字が出ることが想定されます。
ただ、雇用統計の調査週は12日を含む週ですから、ちょうどこの頃はオミクロン株の感染拡大が懸念されていたころと重なるため、これがややノイズでしょうか。
もっとも、前回11月分の非農業部門雇用者数は+21.0万人増と低調な数字でしたから、この反動から今回12月分は前月比で大きく伸びる可能性も十分なため、決して弱気になる必要はないでしょう。
まずは非農業部門雇用者数で予想並の+30〜40万人程度のほどほどな数字が出て、株式市場を荒らさないというのがドル円上昇のポイントですから、それは期待できそうです。
ただし、利上げペース加速や早期バランスシート縮小を決める材料として、平均時給の数字もポイントとなりますから、ここにも注目しておきましょう。
やや景気の過熱感はピークアウトし、原油も頭打ちで過度なインフレ懸念は後退しつつありますが、予想を上回って前月比で+0.6%以上といった数字が出てくるようであれば、賃金インフレを意識してドル高にはなっても、株価が大きく下がれば円高、ドルの上昇を吸収してドル円は結局反落というシナリオも十分あり得ます。
高値で飛び付かず押し目買いに徹する!
大きなトレンド、方向性としては上なので、ドル円をトレードするなら当然ロング・押し目買い戦略にはなります。
もっとも、雇用統計が理想的なほど良い数字に落ち着く、また、早期バランスシート縮小が意識される中で米国株の上値は重くなっていますから、米ドルがスンナリ上昇していくハードルは高いものと思われます。
なので、初動は非農業部門雇用者数のヘッドラインの数字、予想の+40万人から強いか弱いかでドル円は上下することになりますが、高値では飛び付かず、押し目買いに徹するというのが今日のトレード方針です。
やはり弱い数字が出てドル円が下がったとしても、利上げ加速や早期バランスシート縮小論が後退するなら、それはそれで株価にとってはプラスですから、円売りが支えとなって戻しやすいでしょう。
逆に強い数字が出たからといって飛びついてしまうと、米ドル高によるドル円上昇でも、早期バランスシート縮小正当化を嫌気して株価が下げる形となってしまえば、円高で結局はドル円反落になりかねませんからね。