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「戦争の止め方」はあるか?想定外だらけで迷走するプーチンに残された3つのシナリオ=澤田聖陽

考えられる3つのシナリオ

ロシアとウクライナは、2月28日にウクライナ国境に近いベラルーシのゴメリという都市で停戦交渉を行ったが、この停戦交渉はまとまらないという見方が強い。

ロシア側はウクライナの非武装化、NATO加盟申請の撤回などを求めており、ウクライナ側が承諾できる内容ではない。

今後どのような展開が想定されるかであるが、以下の3つのシナリオが考えられる。

<シナリオその1:ロシアがウクライナを早期に制圧し属国化、戦争は終了>

これがロシアが当初から考えていたシナリオだが、このシナリオで早期に戦争終結となるのは厳しくなっているように思われる。

現状でもロシア側の犠牲者はかなり多くなっていると言われており、西側諸国からの武器の供与などの動きもあるので、今後もロシアが早期に制圧できるような状況ではないように思われる。

米国を始めとした西側諸国としては最も避けたいシナリオであり、自国兵士を派兵する以外はあらゆる手法で阻止するように動くだろう(ドイツが戦後初めて他国への武器供与を決めたことも驚かされた)。

無理筋な戦争に駆り出されたロシア兵の士気はかなり低いように思われるし、逆に祖国の主権を守りたいウクライナ側は士気が高いのではないかと思う。

ロシアとウクライナは民族も近く、本音ではウクライナ人を殺したくないロシア兵は多いだろう。

兵士だけではなく、既にロシア国内でも厭戦感が蔓延しだしているのではないかと思う。

圧倒的兵力差がありながら、当初の目論見通り戦況が進んでいないのはこのような背景があるからだろう。

<シナリオその2:長期間のにらみ合いが続き、泥沼化する>

個人的にはこのシナリオの可能性が一番大きいように思える。

ロシア側は短期で完全制圧できずに、ウクライナ側がゲリラ的に抵抗を続けるかたちである。

この場合、ロシア側の戦費が増大し、その戦費の増大にロシアが耐えられるのかという問題がある。おそらくロシア側としては避けたいシナリオである。

Next: 3つ目のシナリオは?日本経済もダメージを避けられない

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