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「iPod」20年の歴史に終止符。サブスク普及で命運定まるも根強い「音楽プレイヤーとスマホは分けたい」との声

米アップルが携帯音楽プレーヤー「iPod touch」に関して、在庫が無くなり次第、販売を終了すると報じられている。

iPodシリーズで現在販売が続けられているのは同製品だけで、iPodはついにその20年余の歴史に幕を下ろす格好となった。

2001年に初代モデルが発表されたiPodシリーズ。HDD内蔵の小型な本体に1,000曲の音楽を入れて持ち運べ、さらにドーナツ状のパネルを活用した独自の操作方法が話題を呼び、世界的なヒット商品に。アップルの発展の礎となるとともに、音楽業界の在り方にも大きな影響を与えた。

サブスクの隆盛で役目を終えた?

初代モデルからの流れをくむ「iPod」にくわえて、オリジナルのiPodよりも小型で軽量なHDD搭載モデル「iPod mini」、液晶画面を廃した「iPod shuffle」、フラッシュメモリを採用した超小型の「iPod nano」、そして全面タッチパネル採用でiOSを搭載した「iPod touch」と、様々な機種が存在したiPodシリーズ。

ただ、オリジナルのiPodが2014年に販売終了となったのをはじめ、2017年にはiPod shuffleとiPod nanoもその販売を終えており、純粋な携帯音楽プレーヤーとしてのiPodは、実質上この時点で終わったとの見方も多い。

その後は、iPhoneなどのスマホにより近いフォルムや機能を持つiPod touchのみが生き残っていたものの、2019年にリリースされた第7世代以降は、新モデルの音沙汰がない状況が続いていたとあって、今回の終売に対しては驚きというよりも「来るべき時が来た」といった反応が多い印象だ。

振り返れば、初代iPodが発売された2001年頃は、従来の音楽CDの流通にくわえて楽曲のダウンロード配信も出始めた時期だったが、その後はダウンロード配信が主流になるいっぽうで、サブスクリプション型の音楽ストリーミングサービスも登場し、その利用者が大いに増えていくなど、音楽コンテンツの購入方法や楽しみ方はこの20年で目まぐるしく変化。

米国において、ストリーミングによる売上がダウンロード配信の売上を逆転したのが2015年ということだが、そのタイミングの前後にオリジナルのiPodやiPod shuffle、それにiPod nanoが次々と生産終了となっていることもあり、やはりサブスクの出現・普及がiPodの命運を決めたと言えそうだ。

「音楽プレイヤーとスマホは分けたい」との声も

いっぽうで、iPodにとってはライバル的存在ともいえるソニーのウォークマンだが、それこそカセットテープの時代に生まれ、その後もCDやMD、さらにデジタルオーディオと、対象となる媒体を変えながらも命脈を繋いできただけあって、現在ではそのラインナップの多くが各ストリーミングサービスに対応したモデルになっている。

それに対しアップルにはiPhoneという存在があることから、音楽の楽しみ方の主流がストリーミングにすっかり移ってしまったことで、iPodの役割は終えたと判断。今後はスマホで音楽を楽しんで……という方針になったようだが、SNS上の反応をみると「音楽プレイヤーとスマホは分けたい」と考えているユーザーも、かなり存在するようだ。

その理由としては、スマホの容量が音楽で圧迫される、音楽再生でスマホの充電が消耗するのが気になるなどといったものにくわえ、ジョギングなどの際には重いスマホよりもiPodのほうが重宝するといった声も。さらに、iPodとともに普及したメディアプレーヤー「iTunes」で、手持ちのCDからの音源なども含め大量の楽曲を管理しているという向きからも「なくなると困る」との声があがる。

ちなみにApple Storeオンラインを覗いてみると、iPod touchのページには“在庫がなくなり次第終了します。”との一文があり、カラバリやストレージ容量の組み合わせによっては、配送だとすでに“売り切れ”と表示されるものも。iPodユーザーからの借別の声をよそに、完全終売へのカウントダウンはすでに始まっているようだ。

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