国から出た75億円は有効活用されたのか?
ただ、株式市場からワクチン実用化に期待してアンジェス株を買った個人投資家は、よほど安値ならば行って来いの世界であるものの、高値掴みをした向きはすべからく損を被ったことになります。
投資は自己責任とは言うものの、これで幕引きで本当にいいのか?という大きな疑問が残ります。
とくに厚労省などから提供された給付金75億円がどのように有効利用されたのか、また残金は発生したのか。
それらについても真摯に答える必要があり、「開発はやめました。ごめんなさい」では済まないものがあります。
創薬ではなく業界への投資にカネを使うアンジェス
このアンジェス、DNAワクチン開発で株価が高騰したタイミングで、ゲノム編集技術を持つEmendoをアンジェス株の株式交換と61億円の現金で買収。
自社開発だけでなく、買収によるノウハウの獲得にも積極的な姿勢をみせてきています。
この会社が本当に買収に適したバリューのある会社なのかはまた別問題ですが、どうも見ていると、株式の発行やら買収やら、まるで金融ファンドか何かと見間違えるような動きをしている点も非常に気になるところです。
まあ、新型コロナワクチン開発が結局うまくいかなかったというのは、あとからついてきた結果ですから、仕方ないと言えばそれまでの話。
ですが、足もとではスタンフォード大学医学部と改良型DNAワクチンの経鼻投与製剤の共同研究契約を締結したというニュースリリースもでており、完全にこの領域を諦めたわけではないことも窺われます。