fbpx

「日銀はいつ為替介入するか?」を予測する方法。口先・レートチェックに騙されるな=角野實

円安が進むなか、市場参加者が気になるのは「日銀はいつ為替介入するのか?」という点でしょう。口先介入やレートチェックが行われていますが、騙されていけません。今回は為替介入のタイミングを予測する方法を解説します。(『 角野實のファンダメンタルズのススメ 角野實のファンダメンタルズのススメ 』)

【関連】天才投資家ジム・ロジャーズも台湾有事に警鐘。富裕層が着々と進める日本脱出と資産防衛=花輪陽子

※本記事は有料メルマガ『 角野實のファンダメンタルズのススメ 角野實のファンダメンタルズのススメ 』2022年9月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め 今月分すべて無料のお試し購読 今月分すべて無料のお試し購読 をどうぞ。

プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。

急速な円安で為替介入に警戒感

「どういう対応をとるかはコメントしない=為替円安で鈴木財務相」(9/7)
「為替への対応、『あらゆる手段』には介入も含まれる=鈴木財務相」(9/14)
※出典:ロイターヘッドライン

今回の円安はあまりにも急すぎるので、警戒発言が連発されるのは至極当然のことですが、これに関して良い記事がなかったので、きちんと説明をします。

まず、鈴木大臣の発言要旨というのは、急激な円の変動はよくない、というのが趣旨であり、介入をするか、しないかは、記者たちが聞きたかったことです。これを間違えてはいけません。

そのうえで、メディアはレートチェックは介入の事前準備だ、と説明をしていますが、これは推測にすぎません。財務省はそんなことは認めていません。過去にレートチェックが入ると、その後に、介入があったことが多いという経験値だけの話であり、レートチェック、イコール、未来の介入ではありません。

そしてレートチェックに関して、鈴木財務大臣はノーコメントとし、介入に関しては事前にそんなことを言うものではなく、やるときは素早く果断にやる、と言っています。

まず、レートチェックに関しての説明は後に譲るとして、レートチェックは、おしゃべりな金融マンが言っているように、それは事実です。それに対してノーコメントというのは政府としては認めたくないだけの話です。

レートチェックをする、ということは、介入は予告なくやる、という発言と矛盾します。介入をするのなら、レートチェックなんかしない、と言っているのに等しいことで、レートチェックがあるということは事前予告と一緒のことですので、結論は介入なんかしないよ、と鈴木財務大臣は言っているのです。つまり介入なんか、ない、という結論になるのです。

介入を含めて、あらゆる手段を検討する、というのはいつもの常套句で、調子に乗って円を売るなよ、という意味です。そこに介入という言葉を使えば、円売りの投機家にはダメージを与えることができます。

レートチェックの具体的な流れ

財務省の委託を受けて、介入の実務は日本銀行が行うのですが、日本銀行の担当者からドル円担当者に現在の相場状況を、聞くことをレートチェックと言います。

具体的に何を聞くかといえば、

1. 現在のドル円レート
2. 何ヤリ何買い、なのか?
3. (介入する場合)それでは、この値段でドルを〇本買ってください

というのが流れです。

レートチェックは、まず日本銀行です、現在の値段を教えてください、と入ります。その時点で担当者は、ビビりまくるのですが、今回の場合は「2」まで行ったわけです。

何ヤリ何買い、のヤリというのが業界用語で、売りのことです。これは板状況を聞いているのです。たとえば3000ヤリの100カイであれば、売り板の方が大きいので、この3000の売りを消滅させるのには日銀が10本も買えば、たぶん、消えます。なぜなら、おしゃべりな金融マンがみんなにそういう注文が入った、と言いふらすので、その注文が入ってすぐに3000の注文のほとんどが消えるでしょう(笑)。

日銀と金融マンの「出来レース」

ここで金融マンがおしゃべりと書くのは、個人情報や顧客情報の秘匿義務など、関係がない、という口の軽さを言っているのです。本来の会社であれば、このレートチェックを行うことは社外秘、というよりも自分の心の中に留め置くものというのがコンプライアンスというものです。しかし、もう、ハチの巣をつついたような騒ぎにディーラールームはなるでしょう。金融マンにコンプライアンスを求めるのは、八百屋で魚を買うようなものです。

日銀や財務省はそれをなぜ、問題にしないかというと、本音はしゃべってほしいのです。つまりわずかな資金で介入効果を狙っているのですから、しゃべってもらわないと困るという、いわゆる出来レース、マッチポンプなので、問題にならないのです。

ディーラールームなど、個人情報取得義務違反の巣窟で、誰が何を買っただの、売っただの、もうダダ漏れ状態です(笑)。

警戒発言や為替介入のタイミングを事前に予測する方法

大昔に解説したことですが、為替介入には(推測ではありますが)基本的なルールがあります。それは月初か月末の値段から10%を超えたときに、介入を行う、ということです。

たとえば、4月、5月の財務省のコメントは月初の値段から5%を超えたときに行うのです。きちんと、4月の為替を注視しているというコメントは月初から5%を超えたときから出ているはずです。

ここから、1%刻みで、財務次官や大臣、総理大臣など、さまざまな人がわざわざ記者を集めて会見をし――

続きはご購読ください。初月無料です 続きはご購読ください。初月無料です

角野實のファンダメンタルズのススメ
を2022年9月中にお試し購読スタートすると、この続きを含む、9月分の全コンテンツを無料(0円)でお読みいただけます。
¥990/月(税込)初月無料 平日(祝祭日・年末年始を除く)配信
※ワンクリックで簡単にお試し登録できます↑

<初月無料購読ですぐ読める! 9月配信済みバックナンバー>

※2022年9月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

2022年9月配信分
  • インフレは終息しつつあるのだけど(笑)(9/16)
  • 相場は転換期に来ている可能性が非常に高い(9/15)
  • インフレ指数の解説とマーケット(9/14)
  • 二番天井をとる動きだと私は思っています(9/13)
  • 動く国際情勢と動くマーケット(9/12)
  • もう一度おさらい、つまり展望のこと(笑)(9/10)
  • ドル円相場が異常な理由(9/9)
  • 円安のメカニズムと考えられるもの(9/8)
  • 中国経済復活の可能性がでてきた!(9/7)
  • バカンス明けのマーケット(9/6)
  • 負け戦にコストを払い続ける欧米とドル円、円安について(9/5)
  • なぜ雇用統計は「良い」と判断するのか?(9/3)
  • 直観では急激な戻りだけど・・・(9/2)
  • 2年債が15年ぶりの高値(9/1)

いますぐ初月無料購読!


※本記事は有料メルマガ『 角野實のファンダメンタルズのススメ 角野實のファンダメンタルズのススメ 』2022年9月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め 今月分すべて無料のお試し購読 今月分すべて無料のお試し購読 をどうぞ。

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込990円)。

2022年8月配信分
  • ようやく「夏枯れ相場」も終わりつつあります(8/31)
  • なぜインフレは続くのか?(8/30)
  • 急落に注意(8/29)
  • 今年のインフレはひどい(8/28)
  • ジャクソンホール待ち(8/26)
  • ウクライナ侵攻後半年(8/25)
  • ドル上伸に陰り(8/24)
  • きょうの焦点はリスク回避になるか?(8/23)
  • 基本に立ち返ろう(8/22)
  • ドルが強い理由(8/21)
  • ドルが強い(8/19)
  • 金利とマーケット(8/18)
  • 中国経済、米国経済(8/17)
  • チャイナショック再来?(8/16)
  • 資金需要が活発になる?(8/15)
  • CPIとPPIの低下(8/12)
  • 労働コスト上昇(8/10)
  • インフレ率はマーケットで上昇するというが(8/9)
  • インフレ懸念よりもデフレ懸念の方が高くなってきています(8/8)
  • 雇用統計の結果がなぜわかったのかの話と今後(8/7)
  • 金利は反転上昇へ(8/5)
  • 貸出基準金利も急騰(8/4)
  • ようやくドルが戻る(8/3)
  • マーケットは中国に注目をしています(8/2)
  • 中国経済はやはり問題あり?(8/1)

2022年8月のバックナンバーを購入する

2022年7月配信分
  • ドルは反転上昇するであろう(7/29)
  • FRB議長発言と乖離するマーケット(7/28)
  • ユーロ危機再来(7/27)
  • きのうは円安ドル安(7/26)
  • 金利の話が注目されています(7/25)
  • 今週もドル安でしょう(7/24)
  • なぜドル安になるのか、そして今後は?(7/22)
  • 米2年債が急騰しています(7/21)
  • ドル安とドル高にマーケットは左右されている(7/20)
  • 短期的な見通しの変更(7/19)
  • もう一度大きな流れの確認と読者の方からご質問がありました(7/18)
  • 今のマーケットはどうなっているのか?(7/17)
  • 民主主義と宗教、そのほかサウジの石油増産など(7/16)
  • 失業保険申請者数とドル(7/15)
  • 消費者物価指数から米国経済をみていきましょう(7/14)
  • いろいろな計算方法(7/13)
  • なぜドルは急騰するのか?(7/12)
  • 悲しい事件があっても前を向く 明日はきっとよくなるさΣ(・ω・ノ)ノ!(7/11)
  • 戻り始めたマーケットと雇用統計(7/8)
  • インフレは小緩むか?(7/7)
  • 世界中でバブルを引き起こそうとする世界(7/6)
  • マーケットの流れを考えてみよう(7/5)
  • そんなに下がらないとは考えています(7/4)
  • 今のマーケットはどうなっているのか?(7/2)
  • 7月これからどうなるのでしょうか?(笑)(7/1)

2022年7月のバックナンバーを購入する

【関連】優秀な人ほど日本を降りていく、岸田内閣「富の再分配」の異常性。国民や投資家は増税ではなく“稼げる社会”を求めている=角野實

【関連】日本の農業をアメリカに売った政府の罪。アグリビジネスが農家の生活と地球を壊す=田中優

【関連】「投資系YouTuberの7割はウソ」金融の専門家が警告、海外金融商品に落とし穴=俣野成敏

image by:Aleksandr Stezhkin / Shutterstock.com

角野實のファンダメンタルズのススメ 角野實のファンダメンタルズのススメ 』(2022年9月15日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

角野實のファンダメンタルズのススメ

[月額990円(税込) 毎週月・火・水・木・金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
株やFXをトレードするときほとんどの人が感覚や本能でトレードをしています。その感覚や本能は素晴らしいものですが、どの世界でも本当に成功するのはそれを科学的、ロジカルに説明することができるものです。このメルマガを読むことによって株式やFXに科学的な視点を加えることを目的にできればと思います。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー