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台湾統一の使命を負う習近平、異例の3期目で武力行使へ。「第2のプーチン」確実=勝又壽良

習近平の使命は「台湾統一」

それは結果を出せなければ、5年に1度の党大会で国家主席の選挙をくぐり抜けることが難しくなろう。習氏が望んだとされる毛沢東並の「主席」は、今回の党大会では見送りにされるという。党の古参幹部が、これに反対していると報じられている。「主席」になれば、生涯のポストを得たのも同然。先ずは、「台湾統一」という難問解決を条件にされているのだ。

習氏は、パン食い競争になぞらえれば、「台湾の武力統一」というパンを食いちぎらなければならない。だが、この問題は極めて難しいのだ。適例が、ロシアのウクライナ侵攻に見られる。軍事大国ロシアが、軍事小国ウクライナにてんてこ舞いし、現在は劣勢に追込まれている。ついには、プーチン大統領の「核発言」による威嚇で、ウクライナ軍の進撃を食い止めようというほどの敗北を重ねている。

ロシア軍劣勢の裏には、ウクライナを支援する50ヶ国の民主主義諸国が武器弾薬の供与をするほか、軍事情報提供でも密接に協力している事実がある。戦場で戦っているのは、ウクライナ兵だが、その後ろには50ヶ国の支援があるのだ。

中国が台湾を侵攻する場合、中国軍を支援する国は限定される。ロシアは、今回のウクライナ侵攻で何らの軍事支援も受けていないので、「精神的支援」に止まろう。一方、台湾防衛では、米英豪が直接・間接で軍事支援が予想される。さらに、NATO(北大西洋条約機構)軍が、後方に控えている。

ロシアのウクライナ侵攻よりももっと不利?

中国は、台湾侵攻において軍事的観点からウクライナ侵攻よりも決定的に不利な点がある。それは、台湾海峡(最短距離で130キロメートル)をどのように渡って兵站線を維持するかだ。台湾海峡は、世界最強である米海軍が守っているのである。さらに、軍事同盟「AUKUS」(米英豪)が、新鋭原子力潜水艦8隻を投入するはずだ。

中国は、ロシアのウクライナ侵攻で見せた奇襲作戦が不可能だ。先ず、台湾海峡を突破する「強襲揚陸艦」を用意しなければならない。これが、台湾侵攻の1つのポイントになる。これは、事前に判明することだ。現在、強襲揚陸艦(排水量4万トン級)は3隻ある。50万の兵員と武器を輸送するには、強襲揚陸艦の数が、まだまだ足りないことは言うまでもない。

この強襲揚陸艦の数で、中国の台湾侵攻の時期が読み取れるのだ。これに合わせて、西側諸国は迎撃態勢を取れる点で、中国軍は完全に手の内を見せて不利なのだ。

中国軍将校には、陸海空の三軍をすべて経験した人間がいないことも不利である。米国では、三軍の任務をすべて経験させている。だから、陸海空の総合的な作戦展開が可能とされている。台湾軍も米軍によって訓練されているから、同様の柔軟性を身に付けているはずだ。ロシア軍が、ウクライナで無様な敗北を喫している裏に、陸海空三軍のオペレーション経験がないことが、決定的なミスを冒す原因になっているという。以上で、中国に関する軍事面の検討を終える。

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