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台湾統一の使命を負う習近平、異例の3期目で武力行使へ。「第2のプーチン」確実=勝又壽良

習近平氏の異例でもある国家主席3期目が、23日に正式決定される見通しだ。3選理由は、中国社会主義の実現とされている。これは、表向きの理由であろう。武力による台湾統一が最大のテーマなのだ。習氏は台湾侵攻に踏み切れるだろうか。その見本は、ウクライナへ侵攻したロシア経済のその後の状況が示唆している。(『 勝又壽良の経済時評 勝又壽良の経済時評 』勝又壽良)

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※本記事は有料メルマガ『勝又壽良の経済時評』2022年10月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。

習近平、異例の3期目で「台湾侵攻」に現実味

中国は、10月16日から共産党大会を開催している。習近平氏の異例でもある国家主席3期目が、23日に正式決定される見通しだ。

習氏の3選理由は、中国社会主義の実現とされている。これは、表向きの理由であろう。武力による台湾統一が最大のテーマなのだ。もちろん、平和的統一をお題目に上げているが、その可能性はゼロである。民主主義を謳歌している台湾が、専制主義の中国へ組み込まれることを受け入れるはずがない。

こうなれば最終的に、中国は武力を用いた統一という血なまぐさい蛮行に訴えざるを得まい。だが、ロシアによるウクライナ侵攻の例が見せているように、21世紀の現在、武力を用いた領土併合は国際的にも否定されている。

先の国連総会で、ロシアのウクライナ4州を自国領とする決定は、142ヶ国から反対意思が表明された。台湾についても同様の事態が予想されるのだ。

台湾が日清戦争の結果、日本の植民地になったのは、清国にとって渡りに船であった。当時の台湾は、「化外(けがい)の地」で首狩りの蛮族が横行していた島である。清国は、この台湾統治に手を焼いており、日本へ譲渡したのは「厄介者払い」に等しかった。その台湾が、日本の近代化教育で見事に発展して、今や収益面で半導体世界一にまで成長している。中国は、ハイレベルな半導体を製造できないだけに、台湾が垂涎の的に違いない。

「台湾を手に入れたい」これが本音であろう。中国共産党は、この大任を習氏に任せたのである。

習近平は批判許さない存在

10月12日に閉幕した、中国共産党の第19期中央委員会第7回全体会議(7中全会)は、コミュニケに習近平氏の絶対的な地位を確認する文言を盛り込んだ。「2つの確立」と「2つの擁護」という風変わりな文言が挿入されたのである。

「2つの確立」とは、習氏の党の核心としての地位と、習氏の政治思想の指導的地位を確固たるものにする。

「2つの擁護」とは、習氏の党の核心としての地位と、習氏を中心とする党中央の権威を順守させる目的だ。

共産党大会では、党の憲法ともいわれる党規約を改正して、前記の「2つの確立」と「2つの擁護」を盛り込む方向とされる。つまり、習氏の考えや方針に公然と異を唱えれば、党規約違反で取り締まり対象になるとみられる。個人崇拝の極致だ。

こうして習氏は、自らへの批判をすべて封じ込めることに成功したが、これで安泰と言えるだろうか。

Next: 習近平の使命は「台湾統一」。武力行使も辞さない

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