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日本経済は「スマート農業」と円安で復活へ。生産・輸出拡大を後押しする国内企業4社とは?=田嶋智太郎

デンソー<6902>

かねてデンソーは、自動車部品で培った画像のビッグデータ解析技術を活用して、ロボットによる工場の24時間操業で野菜を生産してきた。

天候に左右されにくい省人化の大規模工場を普及させることで農業のカイゼンを図る。

そこには内燃機関向けの事業が中長期で落ち込むという強い危機感がある。そこで以前から同社は“非デンソービジネス”と銘打って新しいビジネス領域を拡大。農業は、その「1つの柱」としていく計画を掲げて、関連事業に注力している。

足元は、電動化の追い風を受けるパワトレイン(エンジンやモーターで発生した回転エネルギーを効率よく駆動輪に伝えるための装置類)が好調。台湾のTSMC)の日本工場に出資を発表しているほか、パワー半導体の生産でも台湾のUMCと連携するなど、次世代自動車の競争軸としてノウハウ蓄積や生産能力の増強を急いでいる。

23年3月期は、売上高が前期比12.8%増の6兆2,200億円、営業利益は同40.7%増の4,800億円、純利益は同43.2%増の3,780億円と過去最高を更新する見通し。

デンソー<6902> 日足(SBI証券提供)

デンソー<6902> 日足(SBI証券提供)

株価は、節目の6,500円処を下値サポートに切り返す動き。当面は、52週移動平均線を上抜けるかどうかが1つの焦点となる。

トヨタ紡織<3116>

内装品・自動車フィルター国内首位、内装品で世界4位。今年6月、アイシンの子会社のシロキ工業から主要完成車メーカー向け内装部品の商権を取得すると発表している。シート骨格機構部品の商権を主要6社に広げ、トヨタ以外への売上高を増やし、競争力強化につなげる。

好採算の新製品が収益に寄与するうえ、今下期以降はトヨタ自動車をはじめ各社の挽回生産に期待が寄せられる。23年3月期業績に対する1桁台の増益予想はかなり慎重と見られ、最終的に上ぶれすると見られる。

トヨタ紡織<3116> 日足(SBI証券提供)

トヨタ紡織<3116> 日足(SBI証券提供)

現状でも株価水準は、予想PER=8.32倍、PBR=0.90倍、予想配当利回り=3.75%と割安感が強い。当面は、52週移動平均線を上抜けるかどうかが1つの焦点となる。

Next: 日本の農業はまだまだ進化する。注目すべき企業は?

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