大きく上げて下がった株の再浮上には時間がかかる
何度も言うけど、大きく上昇する相場には「メカニズム」がある。株価が上がるためには誰かが大量に株を買い集めるアキュミュレーション(事情通や機関投資家による株の買い集め)が必要で、大きく上げてまた下がったと、すぐに上がり出すことはどちらかといえば例外なのだ。(この例外についてはまたいずれ)
老人は偶然それらのウォーベイビー株を買った。あたかも自分の能力でそれらを選び、相場について何でも知っているような錯覚に囚われた。しかしそれは単なる幸運であり相場の仕組みを知っているわけではなかった。
もっと上がる、と思うのは勝手だがその思いには根拠がなければいけないし、たとえそうでも何割かは利食いしなければ全てを失うこともある。
そして、相場が終わった後でその株に執着してもならない。相場がまた上昇を始めるには通常は再度時間をかけてアキュミュレーションが起こらなければいけないからだ。
そのほか天然ガスが8%高、金3.3%高、銀7.6%高、銅8.0%高と跳ね上がった。大豆やコーヒーなど農産物先物も1%から2%ほど値段が上がっていて「中国の景気回復は嬉しいけどまたインフレ要因が」という痛し痒しの状況にはなっている。
GAFAMは押し目買い
アルファベットが3.8%高、マイクロソフト3.3%高、メタが2.1%高とGAFAMの一角がリターンリバーサル。下げ幅が大きかっただけに押し目買いからのリバウンドの動きを見せた。Amazonも1.9%高。
雇用統計の結果、12月は0.5%利上げに留まるのでは?という金利に楽観的な見方がリバウンドに手を貸している。ただメタやAmazonは一時マイナスに転じるなど不透明なターミナルレートを行く末を睨んで、ここからは実際どれだけ利益を出してくるかに注目が移っていくとアナリストは指摘する。
Twitterでは大規模なリストラが発表されたが結局これは広告の大幅減少に起因するところも大きいわけで。さらにリフトが13%の人員リストラが発表されたしAmazonも新たな採用を一時停止している。
アルファベット日足
大きく下落したあと、出来高を伴って陰線の後の陽線で「反発の足」ではある。
Amazon日足
こちらも「はらみ足」で一般的にはリバウンドとされる足。
ただ、決算に絡んでは利益率の成長に翳りが見えたペイパルが1.8%安。そのほかピンタレストが1.8%安とグロース全てがリバウンドしたわけでも無い。ユニティソフト4%安、ドキュサイン3.7%安、ショッピファイ4.7%安と少しでも業績に翳りがあると物色されず、逆に大きく売られ安い。
ネットフリックスも3%安と冴えず。サービスナウ6%安など。配信サービスやITサービスに安いものが目立つ。この辺は超大型のGAFAMと中小グロースの株価が又裂きで跛行する流れが目立ったとも言える。