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ゼロコロナ失敗…中国経済はあと何年で崩壊する?外国企業の“中国離れ”と不動産バブル崩壊を経てどこへ向かうのか=栫井駿介

成長要因② 人口ボーナスと外国資本

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成長要因として人口ボーナスがありました。

1982年の人口ピラミッドを見てください。
15歳から19歳以下の層がすごく大きくなっていることがわかります。
ピラミッド型になっているということは、これから働き盛りの人たちが増えて、彼らの労働や商品によって経済が成長します。

1982年から近年までは、またその層が活躍することによって自然と成長するのです。

必ずしも中国が特別素晴らしい経済政策をとっていたわけではありません。

中国は世界最貧国でしたから、そこに旨味を見つけたのが日本の企業でもありました。
中国に工場を建設することで、彼らを安い労働力で雇えます。
しかも日本からも近いということで、世界の工場として中国を発展させてきました。

成長要因③ 不動産を軸とする資本形成

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成長要因の3つ目は、不動産を軸とする資本形成。

中国は実は不動産の私的所有というのを認めていません。
不動産は全て国、中国共産党のものです。

ではなぜ不動産ビジネスが生まれるのか?

政府が不動産の使用権を民間に売り渡すことによって、成り立っています。
それで何が起きるかというと、売り渡してお金が入ると、地方政府を中心とする人たちは豊かになります。
さらに払下げを受けた民間は、それをどんどん転売することによって、豊かになってきました。

彼らが中国の経済を支えていました。
しかし実態を見ると、不動産が素晴らしいものかというと、必ずしもそうは思えません。

例えば、私は上海から南京に向けて高速鉄道で行ったのですが、その間は砂漠と何もない荒野です。
ところが駅の近くになると急に(この写真のように)高層ビル群が現れます。

しかしその実態としては「(マンションの)中には人が住んでいないんじゃないか」

上海で中心部にこういったマンションがいっぱい建っています。
日本で言うならば、いわゆる公営団地みたいなイメージでした。
これがなんと普通の部屋で1億円を超えるようなものなのです。

【参考】GDP内訳

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実際に中国のGDPを見ても、総固定資本形成というのが43%を占めています。
住宅とかを建てることによるGDPの押し上げ効果が非常に大きかった。

それに対して、中国で少ないのが個人消費です。
個人消費は国内の実体経済を反映するものだと思うのですが、これが39%しかありません。

すなわち中国は、国の中での需要というのは実はあまりないのです。
一方でGDPの成長を支えているのは、不動産になります。

GDPで日本を追い越して、アメリカにも追いつくという勢いですが、人口考えるとまだまだです。
日本の人口が1億2,000万。中国が14億ですから、1人当たりGDPが10倍あってもおかしくありません。
これがわずか3~4倍というところです。

まだまだ中国は貧しくて、国内消費が成熟していない国ということ。
いわゆる中進国、先進国ではまだないのです。

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