これからの見通し
<改革開放>
実は習近平氏の根本にあるのは、鄧小平の復讐と毛沢東礼賛。
これは習近平の生い立ちにあります。
簡単に言うと習近平の父親が鄧小平にいじめられて、一時は投獄されたり、市中引き回しにあいました。
国家の反逆者だということで、プラカードを掲げられて殴る蹴るの暴行を加えられる。
幼い習近平はそれを見ていました。
一方で、かつて習近平の父親の命を救ったと言われているのが毛沢東でした。
そういった経緯があって、習近平はとにかく鄧小平の実績をこの世から抹消したいのです。
そんな中で国内企業をまず潰します。
それからGDPが世界二位になったことで、米国からは非常に警戒されています。
だからトランプ政権下では、中国の製品を一部輸出入をしないということもあり、大きな企業が育ちにくいのです。
大きな企業、(例えば)アリババなどが成長し、世界的企業が出てきたら中国は、先進国に仲間入りできる可能性がありました。
しかし習近平自らその芽を摘んでしまいました。
なぜか?
習近平氏は世界的な企業を作り上げる、世界経済で一番になるということよりも、大事なのは中国共産党の一党独裁を守ることだからです。
その流れの中で(経済に強い)李克強を権力から排除したという動きがあります。
<人口問題>
人口ボーナスで経済成長してきたのですが、人が増えすぎたということで、一人っ子政策が1979年にスタート。
数が減るっていうのはもちろんなのですが、一人っ子ですから甘やかされます。
わがままに育てられ、小皇帝化。
それまでは、日本の高度経済成長期のように勢いよく取り組んできた人たちが、中国の成長を支えてきました。
しかし一人っ子で小皇帝となった人たちは、そんな意欲もありません。
高学歴でも望む仕事に就けず、安い賃金で働かされ続けるので
「そんな状態はいやだ」
「そんなことするぐらいなら、家で最小限の生活・最小限のコストで生きて、寝そべっているだけの方がいい」
という思想が中国の中で広まりつつあります。
一部国内の報道でも話題になりましたが、「寝そべり族」と言われるものです。
こういった動きが起きています。
ですから人口問題というのも、決していい方向に働かないと思われます。
<不動産>
本来は消費主導。
国民を豊かにして消費主導に変換し、不動産問題を軟着陸させるべきでした。
これもやはり上手くいっていない。
まだまだ国内の消費は増えないですし、むしろ習近平としては「贅沢は敵だ」みたいなことを言って、派手な消費を抑え込みます。
裏にあるのは債務問題。
不動産を買うときに必ず出すのが債務、借金です。
不動産価格が下がると、借金が返せなくなり、経済の混乱をもたらす。
富裕層が没落してしまう可能性があります。
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