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株価V字回復「ヤマトHD」は買い?復縁したAmazonは救世主か死神か、経営状況と将来性を分析=佐々木悠

ヤマトは投資対象になり得るのか?

直近10年間の株価推移を見てみましょう。

ヤマトホールディングス<9064> 月足(SBI証券提供)

ヤマトホールディングス<9064> 月足(SBI証券提供)

利益が大きく伸長した2019年と2021年に高い株価をつけています。

投資家にも馴染みが深い銘柄ですから、業績が上がれば株価もついてくるように思います。

ヤマトホールディングスに確かな強みがある点は間違いありません。

しかし、現在のEC需要へ対応するために、決して利益率が高くない部門に対して投資を続けています。つまり、これまで経営がちぐはぐな印象でした。

直近の経営方針を見ると、これまでどっちつかずだったECへの対応を本気でやる方向に舵をきったように見えます。この改革が本当にうまくいくとするなら、未来は明るいでしょう。その是非を判断するのが、投資家としての腕の見せ所です。

最後にバリュエーション水準を確認します。

2023年3月期の会社予想の当期純利益は450億円と前年比▲20%の予想ですが、これは燃料価格の上昇やEC需要への対応によるコスト増が主な要因と考えられます。一方で売上高はなお伸び続けているため、これらの費用が継続的に増加し続けるものでないとするなら、現在のPER18倍という水準なら少なくとも割高ではないと判断できます。

もし、ECへの対応がうまくいき、増加する需要を効率的に捌く解を見つけられる、あるいは最大手の宅配業者としての強みを発揮し料金の値上げに成功することができれば、長期的な成長が期待できます。今はその分水嶺と言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか?この記事があなたの投資知識に役立てれば幸いです!


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image by:Rodrigo Reyes Marin / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2023年02月03日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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