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不動産成功本を鵜呑みにした“サラリーマン大家さん”の死屍累々。“お任せ投資”を狙う不動産業界の黒すぎる手口=神樹兵輔

大家さんの仕事は超ラクチン

不動産投資というのは、「時間を味方につける投資」です。

これが他の商売と大きく違うところで、他の商売などでは、もっと大変です。

ラーメン店を例に挙げれば、1杯700円のラーメンを、休みなしで毎月2,170杯(1日70杯)を売り上げたとしても、総収入は152万円です。

ラーメンの原価率を35%とすると、食材コストは53万2千円ですから、残りの98万8,000円から家賃を払い、水道光熱費を払い、人件費を払うと、残りは微々たるものになってしまいます。

ラーメン店の経営者として、毎月100万円の収入を得ようとするならば、1日150杯のラーメンを売り(日収10万5千円)、325万円ぐらいの月商がなければ、到底かなわないことにもなるでしょう。

1日150杯ものラーメンの湯切りをやっていたら、店主の腕もパンパンに腫れ上がるかもしれません。

かように商売というのは、厳しいものです。

おまけに、お客さんが来てくれなければ、ラーメン店は借金を抱えて倒産する他なくなります。

このように商売は、いざやってみなければ、うまくいくかどうかが、わからない──という怖さと紙一重なのです。

優良な投資物件が多いほど安定する不動産投資

その点、不動産の大家さんとして、月収100万円を得るのは比較的カンタンです。

利回り7%の物件で例えるなら、1億7千万円相当の不動産を保有していればよいだけだからです(無借金の場合)。

ローンの返済比率を50%とするなら、この2倍の3億4千万円相当の物件を有していればよいことになるでしょう(キャッシュフローが月額100万円)。

不動産投資は、借金というレバレッジ(てこの原理)で、投資規模を拡大できます。

問題は、サラリーマンとしての属性次第で融資枠が異なることでしょう。

税金などを度外視して考えれば、毎月100万円の収入があれば、家族の生活費は40万円程度でしょうから、毎月60万円を貯蓄に回せます。

これを原資に、さらなる借金をして、次々と不動産物件を増やしていける──ことにもなるのです。

リスキーですが、一見非常に合理的に見える投資です。

大家さんとしての収入の安定は、物件数という規模の拡大に他ならないからです。

また、大家さんの仕事は、清掃にしろ、修繕や管理など、ほとんどの周辺業務を専門業者に割り振ることもできるため、究極はやることがなくなる場合もあります。

通帳をチェックするだけ──という状態です。

ゆえに他人に業務を任せる“お任せ投資”もできてしまうのです。

Next: 無防備な“お任せ投資”はカモられる

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