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少子化の原因は「最低でも大卒」という親世代にかかった“呪い”。三流大学に通うのは才能の無駄遣いだ=午堂登紀雄

学力が低くても起業によって補うことができる

むろん本人にやりたいことがあればそれを尊重しますが、三流大学に高い学費を払うぐらいなら起業させたい(これが返還不要の給付型奨学金を取ってくるぐらいであればその限りではありませんが・苦笑)。

なぜなら、学力が高くなくても挽回する方法のひとつが起業だからです。

論理的思考力、抽象化思考力、戦略思考力、そして強靭なメンタルを後天的に獲得する方法のひとつは起業して会社を経営することで、これは自分自身の経験からそう感じています。

たとえば事業戦略を考えることは抽象化思考そものですし、毎日何度も迫られる決断・判断で論理的思考力が鍛えられる(逆にサラリーマンは決断の機会が少なすぎる)。

戦略やビジネスモデルは抽象的領域ですが、それを日々のタスクに落とし込み手順化・マニュアル化するのは具体化力であり、うまくいかなければまた上流の戦略修正に戻って再びタスクに落とすという、この「具体と抽象の往復」作業は、人間が持つ最上級の知性のひとつです(数学や国語が苦手でも成功している人は、別の形で論理的思考力や抽象化思考力が鍛えられたのだと思います)。

だから仮に勉強が苦手でも、勉強によって培われる土台となる能力は、起業や会社経営によってある程度は補えると私は考えています。むろん本人次第の側面は大きいですが、学問の道に適性がないなら本格的に起業しろ、というわけです。

ただし、これを押し付けないように誘導するのがなかなか難しいことで、親の価値観の押し付けは子を腐らせるだけだと、自分自身の経験で身をもって痛感しているからです(私もそれで父親に反発して中高時代は一切口を利かず、高校卒業と同時に飛び出すように家を出たという過去を持っています)。

なのでもう少し成長したら、折に触れて起業の楽しさを吹き込み洗脳したいと思っています(笑)。

発達障害の長男にはフォローが必要かもしれない

そのため息子たちが中3になって高校受験が見えてきたとき、進学校に進める学力が育っているかがカギで、そこで学業への適性がある程度わかると思います。

なのでもし進学高校に行くことができず、本人が学びたいことがあるという意志が強ければともかく、それほど勉強が好きではないとか進学意欲が高くないようであれば、大学進学はやめて一般の高校で起業をさせようかと。

私は基本的に子の勉強や進路には口出しせず本人に任せるという価値観でしたが、長男が3歳の時に発達障害(自閉症スペクトラム/知的障害のない高機能自閉症)と診断されてからは、ある程度の情報や指針の提示、もしくは条件の提示が必要かなと思っています(それも干渉にならないよう注意が必要ですが)。

もともと「まじめな会社員」に育てたいとか考えたこともなく、できればいつかは実業家になってもらいたいと思っていましたし。それに、発達障害者は人間関係が不得手で会社組織の中でやっていくのが難しい傾向があるため(ウツなどでの離職率も高い)、一般企業のサラリーマンは厳しいかなあと。

妻は海外の大学に行かせたいと考えているようで、本人の希望もあるならそれもいいかなと思います。特に米国などは発達障害への教育プログラムや研究も進んでおり、障害者が受け入れてもらいやすいですから。

そういえばスティーブ・ジョブズ氏やイーロン・マスク氏も発達障害と言われており、アメリカの調査ではADHD(注意欠陥・多動性障害)の人が起業する確率は健常者の6倍も高いそうです。
「空気が読めない」という発達障害で見られがちな特性が、周囲の反対をものともせず不可能を可能にする原動力になっているのかもしれません。

それに海外留学は異文化経験、他民族・他宗教とのコミュニケーション、そして語学の習得という点でもメリットがありますし(その際もやはりスカラシップを取れるほどの学力、そして自己分析能力やプレゼン能力を培ってほしい。親の勝手な願望ですが)。

まあ、まだ小学2年生ですし成長して変わっていくでしょうから、それは現時点でのアイデアで、本人の様子や周囲の状況等を見ながら都度柔軟に軌道修正したいと思っています。

いずれにしても、「子はいまよりもっと厳しい時代を生きていく可能性が高い」という前提で教育プランを考えています。

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