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「空き家」全国349万戸、衰退する地方、価値を失う不動産…これらを解決する方法が1つある=鈴木傾城

空き家は全国で349万戸、20年間で1.5倍に膨らんだ

空き家は全国で349万戸近くにのぼっており、20年間で1.5倍に膨らんだと政府は報告している。

後期高齢者の増加はこれからが本番である。とすれば、空き家はもっと増える。京都以外にも空き家税を取り入れる自治体も続くだろう。そうすると、使っていない家、使う気もない家を相続してしまった子どもたちは税金ばかり取られて頭を抱えることになってしまう。

これが全国の自治体で広がっていくと、日本中で売れない「負動産」をなんとか処分しようと、とにかく激安でもゼロ円でもいいから売り飛ばす人がもっと増えることになるはずだ。

誰も住んでいない家は人の心を陰鬱にさせる

今は地方から不動産の価値が崩壊していく過程にあるのだが、やがてこの波は都市部を取り囲む郊外でも深刻化していく。日本のあちこちでゴースト団地、ゴースト・マンション、ゴースト分譲地が立ち並び、景観が破壊され、治安も悪化し、衛生も悪化する。

空き家が増えて爽やかな気持ちになる人はいない。誰も住んでいない家は人の心を陰鬱にさせる。子どもも空き家を本能的に怖がる。恐怖映画でも空き家が舞台となるのは、要するに不気味だからである。

しかし、その空き地が都心部でもまるで虫食いのようにポツリポツリと広がっていく。放置されて急激に老朽化していく空き家が、不穏な雰囲気を発散しながら共同体に悪影響を与えていくようになる。

首都圏に住んでいる人が一番危機感がないと思うのだが、少子高齢化によってまずは地方が死に絶えて「不動産投資」が成り立たなくなっていこうとしている。

不動産投資の未来は暗い

そもそも、不動産投資は、人口が増えて需要が高まるという前提で収益を得るものである。少子高齢化の社会では投資が不利になっていくばかりである。

今でこそ都市部に人口が集まっているので、そこだけ投資が成り立っているのだが、都市部ですらも一部では人口増加が止まって減少に見舞われる地区も出てきているわけで、もはや危険信号が灯っている。

需要が減少すれば、投資家が物件を売却することも難しくなるので、不動産は投資よりも売却の方が需要が増えていく。売却の方が増えるということは、ますます価値が下がるということでもある。

人口が減って地方から壊れている。それは、地方の文化や伝統や歴史が継承されずに失われていくということでもあり、長い目で見れば日本の文化・伝統の衰退と崩壊となっていく。

Next: 日本復活の道は?「高齢者は集団自決した方がいい」という発想よりも…

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