東急歌舞伎町タワーに設置された「ジェンダーレストイレ」が大きな波紋を呼んでいます。平たく言えば性別と関係なく誰でも利用できる共同トイレで、ビルの運営事業者としてはLGBTQに対する最新の対応として設置したのでしょう。ところが、実際の利用者視点では女性から相当な抵抗感が生まれるだけでなく、男性からも違和感を訴える状況となっています。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年4月23日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
物議を醸した歌舞伎町タワー「ジェンダーレストイレ」
今年4月、新宿歌舞伎町のど真ん中にオープンした東急歌舞伎町タワーは地上48階、地下5階といった大きなビルで従来の歌舞伎町のイメージを一新させるものとして大きな注目を浴びています。
しかしそれと並行して同ビルの2階に設置された「ジェンダーレストイレ」が大きな波紋を呼んでいます。
平たく言えば性別と関係なく誰でも利用できる共同トイレで、ビルの運営事業者としてはLGBTQに対する最新の対応として設置したのでしょう。
ところが、実際の利用者視点では女性から相当な抵抗感が生まれるだけでなく、男性からも違和感を訴える状況となっています。
そもそもの対象となっているトランスジェンダーの方々は果たしてどう思っているのか、注目されるところです。
とはいえ「男」「女」「それ以外」という区分けで施設を設置するのは、さらにあからさまな差別感を醸成するだけになるでしょう。
社会インフラがLGBTQに配慮してどう対応していくべきなのかは、まだ相当、議論の余地が残るものとなっています。
ただの「共同便所」が社会問題に
そもそも、戦後の高度成長期の途上では共同便所などは至極当たり前の施設でした。
足元では、限られたスペースでトイレを設置するコンビニでも「男女兼用」とする店は多く、大騒ぎするべきものではないという見方もあります。
プライバシーやセキュリティの観点からすれば、都内の最新施設が単なる共同便所を「ジェンダーレストイレ」などという名称で設置するのは安直すぎるというのも確かでしょう。
果たして何がベストプラクティスなのか。それを見極める必要が出てきています。
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