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eスポーツ、早くもスポンサー離れ。収入先細りも案じられるプロゲーマー、それに対し差別発言で業界追放のたぬかなは“プロ時代の月収超え”という皮肉

eスポーツの分野において、このところ“スポンサー離れ”が顕著だという話が大いに取沙汰されているようだ。

記事は海外での状況をレポートしているのだが、それによればPC関連企業をはじめ様々な会社が、競うようにeスポーツチームをスポンサードしていたのも過去の話で、実際のところブランド露出以上の投資効果が期待できないことが分かった会社の間では、eスポーツ向けの予算支出を相応に減らすべきといった声が出始めているとのこと。

そんななかでも、eスポーツチームに所属するプレイヤーの報酬が高騰する状況が2019年から2020年あたりからあったといい、そういったコストが増加するなかでもリターンが変わらないといった点も、スポンサーが離れる理由のひとつとなっているという。

また、以前と変わらずeスポーツを支援しようという企業のなかでも、eスポーツチームの支援ではなく、競技大会やイベントなどのスポンサーシップに注力するといった“方向転換”を行うところも多いということである。

スポンサー離れに「確かにリスク高すぎ」と納得の声

今年6月には、あの国際オリンピック委員会(IOC)が主催する大会が、シンガポールで開催される予定があるなど、ゆくゆくは五輪競技への採用もあるのではないか……といった噂まで浮上しているeスポーツ。

世界には数十億円といった巨額の賞金が出る大会も存在し、またこの分野においてはまだまだ発展途上といった位置付けの日本においても、1億円以上の賞金を稼ぐプレイヤーが出て来ているなど、景気の良いも多く聞こえてくるこの界隈なのだが、それにも陰りが見えはじめているといった話ということで、日本のSNS上でも「いよいよバブル弾けてきたなあ」といった、冷めた反応も多く飛び交っているところだ。

eスポーツチームにおける“スポンサー離れ”に関しては、プロチームの乱立にくわえて、次から次へと新しいゲームが出てくるといった状況もあり、個々のチームへの注目に関してはどうしても分散されてしまいがちといった点も大きい、という意見も。

ただ、そのいっぽうで日本国内における状況として、昨今のプロゲーマーらによるあまりにも低レベルな言動や素行も、そういった状況を招く遠因となっているのでは……といった声も多いようである。

今年だけに限っても、ゲーミングチームに加入したとある男性コーチが、過去の未成年との性行為が判明したことで、契約からわずか数日で解雇になったというのほか、とある高校生プロゲーマーがゲーム内のチャットにおいて外国選手に対して「キムチうるさい」といった差別発言を行い、チームからの除名処分が下されるなど、枚挙に暇の無いプロゲーマーらによる不祥事。

さらに、不倫がバレてメンバー内での殴り合いの喧嘩に発展したなどの不行状で解雇となったFisker選手や、「170㎝以下の男性は人権ない」「ADHDバリア使えばけっこう何言っても大丈夫らしいよ」などの差別発言で度々炎上した「たぬかな」元選手など、この界隈では有名とされる選手らにも、この手の話が付いて回るといった状況なのだ。

一般的にゲーマーの間においては、差別的な言葉が悪意なく飛び交うカルチャーが存在するといった見方もあるようなのだが、だからといってそれが免罪符になるわけではなく、その人間性が大いに疑われるような発言や行動が多すぎるといったイメージが拭えないeスポーツ界隈。

それだけに企業側としても、支援するにはリスクがあまりにも高すぎるだろうということで、こういったスポンサー離れの話も「さもありなん」といった風に受け止められているようだ。

YouTube収益も期待薄で窮地に

そんなeスポーツ界隈で活動するプロゲーマーらの収入源といえば、先述のような大会の優勝賞金などもあるのだが、それだけで食べていけるのはやはり一握り。ということで多くのプロゲーマーは、企業などが結成したゲーミングチームに所属し、そこから給料を貰うというパターンは多いとのこと。

それはそれで安定した収入源ということでは有難いようなのだが、しかしながらその額はお世辞にも多いわけではないようで、そのあたりを補うために、動画サイトなどにゲーム実況や解説などの動画を配信・投稿するといった、いわばユーチューバーとしての活動も1つの軸にするといったプロゲーマーも多いようである。

ただ、こういったプロゲーマーらの動画に対しては「参考になる」といった声も少なくはないものの、芸能人などにゲームをやらせたほうが面白味があるといった声も同様に多い模様。さらに昨今はネット広告市場も成熟化したこともあって、ユーチューバーで収益を上げることが以前よりも難しくなっている状況とあって、収入の確保により汲々とするといったプロゲーマーも多い状況のようなのだ。

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ちなみに先にも挙げた「たぬかな」元選手だが、数々の問題発言によって所属していたeスポーツチームとの契約を解除されてしまったものの、今年に入りとあるライブ配信プラットフォームにおいて配信者として復活。相変わらずの歯に衣着せぬ発言で一部から人気を博しているといい「今月だけでいったらプロ時代の月収を超えた」との発言もあったとのこと。eスポーツ界隈の評判を地に堕とす発言で業界から追われた存在が、ある意味で経済的な成功を得る格好となっていることに、多くのプロゲーマーは何を思うのだろうか。

Next: 「スポーツ選手とプロゲーマーは一緒って区別は…」

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