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米国で始まった不動産バブル崩壊、すぐに日本でも起こる?住宅ローン金利の上昇が引き金に=今市太郎

国内では住宅ローン金利の上昇が不動産バブル崩壊の引き金を引く?

足元の国内の不動産購入にあたっては、変動金利が史上最低レベルを維持していることから、住宅やマンションの販売に翳りが出るといった状況ではありません。

しかし、これがやがて利上げということになりますと、「億ション」レベルのタワマンの新規販売や中古の販売に相当な影響が出ることが予想されます。

30年近く前は、住宅ローンは公的な機関の融資を受けても3%以下の低金利で組むことはできなかったことから、1,000万円〜1,500万円といった年収ベースでも6,000万円から7,000万円程度の融資しか得られず、それより高い物件を購入する場合には自前で頭金なり追金を用意することが前提となっていました。

したがって、当時の「億ション」と呼ばれる物件はやはり特殊な層が購入する物件となっていました。

まあ、不動産バブルで手持ちの不動産が高騰したなら、簡単に買い替えることもできたのでしょう。ここ数年で活性化するタワマン販売では、1,500万程度の世帯年収があれば簡単に1億以上の融資が受けられますし、2,000万円を超えるなら1.7憶円を超えるような物件にも手が届くようになったのが、市場を拡大する大きな要因になっていると思われます。

不動産は典型的な相対取り引き。価格は凄まじく崩れやすい

しかし、90年代初頭バブルの崩壊を受けて金融機関が不動産業者に資金を貸さなくなったことに加え、個人への不動産ローン融資も厳しくなったことから、当時、高値を呼んだ不動産は中古市場でもガタガタに崩れる展開となったことがいまさらながらに思い出される状況です。

不動産の場合、すべての売買は相対取り引きですから市場の実勢価格がどうであろうと、とにかく換金したいという売主が登場すれば簡単に相場が崩れるもの。マンションなら同じ棟の異なる物件で価格を大きく崩したものが登場して取引されてしまいますと、周辺の相場もそれに完全に引きずられるという恐ろしい展開が待ち受けています。

つまり、いったん価格が崩れ出すと、もう止めようがなくなるのが現実。東京都区内で高くなりすぎたタワマンがローン金利の上昇からうまく金融機関の融資を受けられないといった事態が次々示現したり、変動金利の上昇で支払いが覚束なくなり手放さざるを得なくなるといった所有者が続出しはじめると、いとも簡単に相場を崩すことになることは意識しておかなくてはなりません。

Next: 金利上昇は想像以上に危険。国内の不動産価格「総崩れ」もありえる

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