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「持ち家vs賃貸」の身も蓋もない結論、“人それぞれ”を踏まえてどう選ぶか。選択にはタイムリミットも=午堂登紀雄

賃貸か、持ち家か。この議論は毎度なされている話です。しかし、何をもって「トク」と考えるかは人それぞれ。双方のメリット・デメリットと、私が「持ち家派」に転向した理由をお伝えします。(『 午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門 午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門 』午堂登紀雄)

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プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

延々と続く「持ち家vs賃貸」論争……正解は、人それぞれ

賃貸か持ち家かという議論は、毎度なされている話です。

しかし、何をもって「トク」と考えるかは人それぞれ。環境・自己満足・利便性・快適さ・自由度・経済性などなど、どれを優先するかも人それぞれ。

たとえば都心の駅近に住みたいなら、よほどの高所得でなければ持ち家はまず難しいから、必然的に賃貸になるでしょう(ファミリータイプで7,000~8,000万円もしますから)。

私はかつて「賃貸派」でしたが、会社員時代は転職の可能性がありましたし、起業しても拠点が変わる可能性があったからです。

そう、賃貸の良さは、たとえば収入の変化、あるいは仕事の変化(転勤・転職)、さらに家族構成の変化など、生活スタイルや状況の変化にすぐ対応できるからです。

また、設備の修繕が不要です。たとえば備え付けのドアホン・エアコン・キッチン・給湯器などの設備は大家のモノであり、故障しても管理会社に連絡すればタダで修理してくれます。

さらに、マンションの管理組合や近隣の自治会といった煩わしさがありません(地域によっては自治会費の徴収がありますが、活動への参加義務はほぼない)。

しかし私が一人会社となってPCだけで仕事ができるようになり、さらに子どもができてからは「持ち家派」になりました。

転職もないし、拠点が変わることがない。それに子どもが増え思春期になると個室が必要ですからさらに広い部屋が必要で、すると家賃も高額となる。なのに家賃は垂れ流されるだけで何も残らないからです。

夫婦2人だけのときは都内の1LDKに住んでいましたが、家賃は月額15万円。子どもが2人となって家族4人になると、20万円ぐらいはしそうです。すると年間240万円ですから、10年で2,400万円!これはもったいない。

現役時代はどっちでも良くても、老後は?

さらに生涯、つまり死ぬまで年金の中から家賃を捻出し続ける必要があり、これはこれで負担です。

もちろん夫婦ともに正社員で現役時代にそこそこ年収があれば厚生年金が手厚いので、なんとかなるかもしれません。しかし年金は今後減っていく可能性があるわけで、よほどの貯蓄や収入源がないと不安にもなると思います。

年金制度、つまりお上に生殺与奪を握られるのは避けたい。こういうリスクは排除しておきたい。

もう1つの大きな理由は、場所にもよりますが、自分が高齢になり配偶者も亡くなって自分1人になったとき、高齢・1人暮らしだと契約を断られる可能性があるからです。

たとえば高齢者がその部屋で死亡すれば業界用語の「告知事項あり」に該当し、家賃を下げないと次が決まらないということになりやすい。

さらにもし身寄りがないとか、本人の家族が対応しないなどになると部屋に家具など残置物が放置されるわけですが、これは勝手に移動させることはできない。

すると裁判所に申し立てて処分の許可をもらわないといけなくなり、その間は次の募集もできないし家賃も入ってこないから、ローンを組んでいれば赤字となる。

これを避けたいと考えるオーナーは特に都市部では多いと思われますから、借りたくても借りられないということが起こる可能性があります。

むろん地方郊外で家が余っているところなら問題なく借りられるとは思いますが……。

Next: 大家に振り回される賃貸か、ローンに縛られる持ち家か

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