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東証2部転落のシャープを鴻海はどうするつもりか? 3つのシナリオ=栫井駿介

シャープの今後を考える3つのシナリオ

シャープ株への投資を考えようと思ったら、鴻海のテリー・ゴウが何を考えているかを想像するのが近道です。考えられるシナリオを3つ挙げてみました。

シナリオ1:液晶部門を分離

シャープの液晶事業を分離し、鴻海のグループ企業で同じく液晶を作っているイノラックスと統合することが考えられます。鴻海がグループ内に同じ機能の会社を抱えている必要性はなく、お互いの技術を持ち寄ることによって競争力の強化を図ることができます。

鴻海は出資の際に、出資がうまくいかなかった場合にも液晶事業だけを買い取る条件をつけたことからも、液晶だけは何としてでも欲しいという本音がにじみ出ています。

液晶事業はこれまでシャープのお荷物でしたから、鴻海が買い取ってくれることは前向きな側面もあります。液晶の敗戦処理が終了し、経営的にも資金的にもその他の事業に集中することができれば、昔のように尖った商品を作り出すことも可能になるでしょう。

実際に、鴻海の出資が決定してから、「ロボホン」「蚊取り機能付き空気清浄機」の発売など、再び挑戦的な取り組みを始めています。

ただし、それでも株主にとって明るい状況とは言いません。シャープが利益を稼げるようになれば、鴻海はシャープの利益を何らかの手段で吸収しようとするでしょう。みすみす少数株主に利益を渡す理由はありません

そうなった場合に、次のシナリオである完全子会社化という方向性も浮上します。

シナリオ2:完全子会社化

完全子会社化とは、鴻海がシャープ株式を100%取得してしまうことです。2/3の議決権を持っていれば、残りの株主を全て排除してしまうことは容易にできます(これをスクイズアウトと言います)。その場合、シャープは上場廃止となります。

鴻海にとって、シャープが上場しているメリットはもはやありませんから、いつ完全子会社化をしてもおかしくありません。上場しているだけで少数株主への説明が必要ですから、その面倒を省くことを考えても十分ありうるシナリオです。

企業を買収する際には、株価に対する上乗せ(プレミアム)を株主に支払うことが通例ですが、既に2/3の株式を保有しているので、プレミアムの付かない時価で取得できます

残りの株を安く買おうと思ったら、シャープの業績を悪く見せることで株価を押し下げることが最も合理的です。

完全子会社化も、少数株主にとっては何のメリットもないシナリオです。

Next: シャープ株主にとって唯一望ましい「シナリオ3」とは

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