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楽天1399億円赤字…モバイル事業撤退で再生は可能なのか?ほか事業の成長性と企業価値を検証=澤田聖陽

フィンテック事業は拡大中

次にフィンテック事業だが、同事業の2022年12月期の売上、営業利益は以下のとおりとなっている。

売上:6,634億円(前年同期比12.6%増)
営業利益:987億円(前年同期比36.6%増)

フィンテック事業は売上、営業利益ともに順調に伸びている。

フィンテック事業は、「楽天カード」「楽天銀行」「証券事業」「保険事業」「楽天ペイメント」「その他」の6つのセグメントで構成されているが、各事業の2022年12月期の売上、営業利益は以下に記載のとおりである。

<楽天カード>

売上:2,956億円(前年同期比5.6%増)
営業利益:440億円(前年同期比10.9%増)

<楽天銀行>

売上:1,122億円(前年同期比9.3%増)
営業利益:380億円(前年同期比28.5%増)

<証券事業>

売上:958億円(前年同期比6.5%増)
営業利益:187億円(前年同期比3.3%増)

<保険事業>

売上:997億円(前年同期比▲1.2%減)
営業利益:100億円(前年同期比10.4%増)

<楽天ペイメント>

売上:514億円(前年同期比37.3%増)
営業利益:▲51億円(前年同期比▲0.8%減)

<その他>

売上:85億円(前年同期比5.0%増)
営業利益:▲70億円(前年同期比▲4.0%減)

フィンテック事業においても、楽天ポイントを使った「楽天経済圏」という強みを最大限に発揮して拡大している。

楽天銀行も楽天証券もユーザーが使うことで楽天ポイントが貯まるし、楽天証券では楽天ポイントを使って投資が出来るなどのメリットがある。

楽天銀行は上場し、楽天証券ホールディングスも上場を予定しているようだ。

ネット金融で銀行、証券、保険とフルラインで事業を展開しているのは他にSBIグループしかないが、例えば楽天証券はSBI証券に対して規模や収益では負けているものの、直近での口座数の増加などは圧倒している。

これは楽天ポイントを使った投信の購入など、やはり楽天経済圏を背景にした事業展開が成長力の源泉になっているのだろうと考える。

Next: 楽天の適正価値は?投資家たちはモバイル撤退を期待しているが…

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