私なら大丈夫、きっと騙されない。そう思っていても、いつの間にか巧妙な詐欺の術中にはまっていたというケースも珍しくない。
例えば、信用のできる知人から投資の才能があるから稼げられるとおだてられたとき、周りの友人が実績のあるウマい儲け話が舞い込んできたとき、詐欺と気づかず足を踏み入れている可能性はゼロではない。
「まさか自分が…」と思うだろう。実際に投資詐欺の被害にあった5人のケースを見てみると、それぞれが自分の判断を疑うことはなく、自分で稼いだ貴重なお金を注ぎ込んでいたのだ。
ケース1:教材を購入すれば1,000万円稼げるといわれた

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当時、インターネット上では私のような20〜30代の投資に無知な人をターゲットとした儲け話がたくさんありました。いまでもあるかもしれません。
ある日、ネットサーフィンをしていたところ、デイトレーダー(と言われる人)の顔写真と一緒に『キャンペーン期間中につき大幅値下げ』と表示された、バナー広告が出てきました。
当時の私はお金に苦労していたこともあり、素人でも1,000万円以上稼げるという話だったので、試しにバナーをクリックすると、とある教材に出会ったのです。内容は、FXや株取引で億万長者になった人が開発したノウハウが詰まった教材ということでした。
その教材の申し込みをすると、ページには投資に関する特別なスキルやキャリアがなくても「まだチャンスはある!」「◯◯タイプなあなたこそ投資に向いている!」と、おだてられるような言葉がたくさん。その言葉に納得する自分もいて、惑わされ、ついつい上手い話に乗ってしまったんです。
まず振り込んだお金は、教材の購入代金として50万円。その後、オンライン上での投資カウンセリング代金として追加で30万円、何度でも有名なトレーダーとメールやSNSでやり取りができる権利に30万円。合計110万円を運営会社のサイトを通じて申し込みました。
指定の銀行口座にお金を振り込みましたが、何の音沙汰もありません。そのときは「運営が忙しいから対応が遅れているのかな?」くらいに思っていましたが、何日経っても返信は皆無。さすがにこれはおかしいと感じて、なんとか返金をしてもらおうと、お金を振り込んだ運営会社にメールで接触を試みました。
しかし、連絡がつくことは一切ありません。しかも調べてみると会社の実態はなく、警察や法律家に相談をしてもお金が戻ってくる可能性は低いと言われる始末。仕方なく泣き寝入りをすることにしましたが、今考えると勢いだけで飛びつくべきではなかったと後悔しています。
ケース2:たった1枚のPDFに40万円を払った

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プロフィール
もともと投資に興味を持っていて、将来的にはFXで稼げるようになりたいと思っていました。インターネットで情報収集をしていた時に、情報商材のサイトへ。
そのサイトはとても丁寧に作られていたので、信用できそうだと感じて、とある商材を購入することを決めました。それが2013年、大学生のころの話です。
「誰でも簡単に稼げる」といった言葉に、利益を上げているチャート画面など、当時の自分にとっては魅力に感じるサイトでした。今になるとチャート画面も稼いだところだけを切り取っているので、信用しやすい人は騙されてしまうと思います。
私の場合、口座へお金を振り込んで、その後、数日してから実際にメールで教材が送られてきました。その教材、たったのPDF1枚だったんです。
投資詐欺の存在は知っていましたが、まさか自分が引っかかってしまうとは思いませんでしたし、誰でも作れそうなPDF1枚に40万円という価格は納得できませんでした。
電話やメールをしても連絡が取れなくなってしまったので、警察に相談しましたが、結果は残念ながら逃げられてしまい、返金してもらえていません。
今回の件に関しては、お金は簡単に稼げるものではないことを知ったので、高い勉強代だと思って返金されなくても仕方ないと考えています。ただ、販売者は絶対に許さないです。
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