fbpx

トランプ返り咲き、株は買い?売り?各政策が経済・株価に与える影響を解説=栫井駿介

2025年、トランプ氏が大統領に返り咲くということで、現在はそれに向けて人事等を決めている段階です。今回は、このトランプ大統領の新政権の政策が株式市場や経済にどのような影響を与えるかということを解説したいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

トランプ大統領の政策

トランプ大統領の政策は過激なイメージがありますが、一つ一つの政策を見てみると、それほどおかしなことをやろうとしているわけではないように見えます。

「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」という言葉を掲げ、アメリカという国をアメリカ人の手に取り戻す、簡単に言うとナショナリズムということになります。
分かりやすい動きとしては、メキシコなどからの不法移民の排斥や、アメリカの産業を守るために他国からの輸入品に高い関税をかけて自国に産業を誘致し雇用を増やすとしています。
特に中国を大きなライバルと見ていて、中国からの輸入品には60%の関税を課すということも言っています。

 

他方で経済的な政策としては、化石燃料の復活をあげています。
これは一見すると環境保護の流れに逆行しているように見えますが、実はアメリカで十数年前から「シェールガス革命」というものがあり、技術が進んだことによって硬い層の下にある天然ガスや石油を掘れるようになりました。
これによってアメリカは今世界一の産油国となっているのです。

アメリカが自国で石油をどんどん使ったり他国に輸出することはアメリカ経済にとってはプラスに働くと思います。
地球温暖化が叫ばれる中でそれをやって良いのかという話もありますが、トランプ大統領は気にせず掘ると言っています。

 

また、減税を行おうとしています。
前回の任期中にも法人税の引き下げを実現したのですが、それをさらに下げるとしていますし、個人の所得税の減税にも言及しています。

これは多くの労働者にとってもプラスとなると言えるでしょう。

 

あとは紛争解決の話もあります。
おそらくウクライナ紛争を終わらせようとしているのではないかと思われます。

また、イスラエルとも親密だと言われていて、トランプ大統領だからこそガザへの攻撃を止めさせることができるのではないかというところがあります。

トランプ政策が与える影響

ここからは、トランプ大統領の政策が株式市場や経済に与える影響を大まかにプラスかマイナスで示していこうと思います。
もちろん経済や株価は単純ではないのでその通りに動くかは分かりませんが、短期的にはそのように反応するのではないかと思われます。

<法人税減税:株価にプラス、財政にマイナス>

法人減税が株価にとってプラスということはほぼ間違いないと思います。

法人税というものは、企業が稼いだ利益の一部が税金で持っていかれるというものなので、法人税が減った分単純に利益が増え、株価も上がりやすいということになります。
即効性もあるので、大幅に株価にとってプラスとなるでしょう。

逆に、ハリス氏(民主党)は法人税を増やすと言っていたので、トランプ氏(共和党)が政権を取った時点で株式市場にとってはプラスだったと言えます。
実際に株価も大統領選を前に上がってきて、トランプ大統領に決まってからも上がりました。

 

ただ、懸念されることは財政にマイナスということです。

Next: トランプ返り咲きは財政に大打撃。化石燃料「復活」の影響は?

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー