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英国民投票という終わりの始まり~離脱でも残留でも元には戻らないEU=真殿達

英国だけではない。単独行動主義に向かうEU加盟国

一方、イギリスの脱退作業が大きな問題を回避しながら進むなら、追随する国が現れる。既にチェコのようにEXITを国民投票にかけようとして国会で僅差で否決された例もある。

少なくとも、どの国も従来以上にEU内で非妥協的となり、財政規律など基本政策を巡る加盟国間の対立は先鋭化する。EUという仕組みの正当性やあり方が一段と厳しく問われ、一歩間違えると崩壊に至る可能性を抱えたシステムとなる。

振り返れば、EUの加盟国は何でも満場一致で協調行動をとってきたわけではない。本当は、国内の不満を抑えて妥協を積み重ねてきたのである。BREXIT騒動をきっかけに、たまり続けた不満のマグマが次々と爆発するようになって初めて気づかされることになるのは、「EU諸国の思潮は、随分前から問題次第では、国際協調よりも孤立を恐れず自国の主張に拘泥する“ユニラテラリズム(単独行動主義)”に向かっていたこと」であろう。その時には、キャメロン首相は「パンドラの箱を開けただけだった」と言われることになる。

内向きの国、日本は生き残れるか

ユニラテラリズムの始まりはアメリカである。口では何でも言うが自国の損になるような行動は一切取らない。NATOの盟主でありながら兵員派遣に極めて慎重であり、一方でITを駆使したサイバー攻撃には積極的である。ステルス的にIT技術を駆使して国際問題を主導する。中国やロシアの非妥協的な姿は、アメリカのユニラテラリズムへの対応とみることができる。EU主要国の立ち振る舞いもそうかもしれない。

BREXIT問題を生んだ国民感情とEU拡大の蹉跌(さてつ)の背景には「ユニラテラリズム」の進展があり、それを第4次産業革命が支えているという構図である。

こうした国際環境にもかかわらず、伊勢志摩サミットで消費税増税延期のお墨付きを得ようと狂奔(きょうほん)したり、政治資金を公私混同した首都の知事を追い詰めたりと、政治指導者の「せこい話」が続くと、つくづく日本は国際問題に興味がない内向きの国だと思う。国内でしか通用しない論理を世界に持ち出そうとするのが日本のユニラテラリズムとでも言うのだろうか。そんな日本とは無関係に、世界は新たな混乱の時代に突入しつつある。

【関連】英国EU離脱「本当のリスク」~欧州に手を伸ばすプーチンと米ネオコンの狙い=斎藤満

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投資の視点』(2016年6月22日号)より

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