水素市場は、潜在的な可能性は持っているものの、まだ顕在化しておらず、岩谷産業の収益に大きく貢献するまでには、2030年、あるいは2050年頃までかかるとの見方もあります。
足元では、水素製造コストの高さから採算が合わず、関西電力や岩谷産業自身も一部事業からの撤退を余儀なくされています。むしろ、短期的な業績改善を考えるのであれば、中国のヘリウム市況が安定する方が影響は大きいかもしれません。
結論として、岩谷産業の水素関連事業への投資は、その長期的な成長性と市場における優位性に期待するものであれば、考えてみてもよいでしょう。しかし、その実現には長い時間と、コスト問題をはじめとする多くの課題解決が必要であることを十分に理解したうえで、長期的な視点を持つことが重要です。
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年9月16日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。