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安倍政権「28兆円経済対策」4つの不安と、たった1つの冴えた裏ワザ=三橋貴明

(2)低所得者への給付措置

政府は消費喚起策として、消費税率8%への引き上げの影響を緩和する低所得者向けの「簡素な給付措置」の2年半分に相当する15000円を一括して現金給付することを決定した。

対象が低所得者層であるため、15000円の現金給付の多くは消費に回る可能性はある。

とはいえ、現在の日本の家計の消費性向が下がってきていることに鑑みると、低所得者層であっても15000円を貯蓄に回す可能性が否定できない。

対象を低所得者層に絞ったという点は評価できるが、給付金系の経済対策が「フル」でGDPを押し上げる効果は、事前には誰にも保証することができない

(3)財政投融資によるインフラ整備

政府は財政投融資で借り入れた資金を「超」低金利でJR東海に貸し付け、リニア新幹線の大阪延伸を最大2037年まで前倒しすることを決定した。

もっとも、JR東海からしてみれば、政府から資金を借りたとして、すぐに名古屋-大阪間の建設工事にかかる必要はない。2037年までに名古屋-大阪間のリニア新幹線開業を目指すなら、アセスメントを2025年頃に開始すれば十分に間に合う

というわけで、金額は「兆円単位」ではあるものの、財政投融資による経済効果が「いつ」出るのかは、事業主体となる民間企業側の経営方針に依存してしまうのだ。

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