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日銀の新政策は追加緩和ではなく引き締め。株高・円安は短命に終わろう=馬渕治好

追加緩和というより、引き締め

そもそも、今回の日銀の決定が追加緩和であって、カネ余りによる国内株高(余剰資金が株式市場に流入)や円安(余剰資金が外貨建て資産に流入)、あるいは景気回復(経済全体が金余りになる)を一段と推し進める、というようには、全く思えません。金利については、長期金利は下げるどころか上げるわけですし、資産の買い入れ額を増やすわけでもありません。追加緩和というより、引き締めのように見えます。

また、日銀は2年でインフレ率2%といったような、ゴールの時期を決めたインフレ目標ではなく、2%を「安定的に持続するために必要な時点まで」緩和を継続する、といった言い方に変えています。日銀は、これは2%にするのだという、一段と強い意志を示した、と説明していますが、いつまでに達成する、といった時間的目標を放棄したように見えます。

多くの人が、「きっと5年経っても10年経っても、2%にするためにがんばりますと、ずっと言ってるんでしょ」といった、冷めた見方をしているのではないでしょうか。

ということは、今回の日銀の決定を概観しても、追加緩和であって景気回復、株価上昇、円安をもたらすようなものだ、とは全く考えられず、やはりすぐに日本株安・円高に振れ戻ると見込まれます。

実際、冒頭で述べたように、一時は1ドル102.79円まで円安が進んだものが、100.70~80円と、日銀の決定前より円高になっています。東京市場での株高を受けて、引け直後に16705円に達したシカゴ日経平均先物も、16500円程度に下押ししています(9月の配当落ちが近いので、日経平均の現物指数と先物の間に、価格差があります)。

9/21(水)および9/22(木)の欧米市場の動向や、FOMCの決定を受けた市場の動きによりますが、このままいけば、祝日明けの9/23(金)の国内株価は、下落して始まりそうです。


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【関連】未曾有の危機から丸8年。リーマン・ショックの真相(前編)=矢口新

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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』(2016年9月21日号外)より
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