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日本国民はなぜ官邸と読売の「前川いじめ」を見て見ぬふりするのか?=引地達也

加計学園の新学部創設問題が深刻化しています。前文部科学事務次官の前川喜平氏が5月23日、朝日新聞の取材に応じ、内閣府から文科省に出された「総理のご意向」として記された文書について証言。安倍首相の関与を裏付ける資料として、朝日新聞がスクープとして大々的に報じました。

しかしこれに対し、官邸は文書を「怪文書」だとして一蹴。さらに読売新聞も加担し、文書の真贋とは関係のない前川氏の出会い系バー通いを批判するなど個人攻撃を行っています。

さらに5月25日、前川氏が記者会見を行い「文書は本物である」と証言したことで問題は加熱。マスコミも盛んに追加取材を行っていますが、前川氏の「スキャンダル」を裏づける事実がまったく出てこないことから、「下半身ネタ」を得意とするはずの週刊誌が前川氏擁護にまわる異例の展開を見せています。

これについて、メルマガ 『ジャーナリスティックなやさしい未来』の著者でジャーナリストの引地達也さんは、現在の日本は独裁国家と同じであると政府を厳しく批判。「自由はすでになくなった」と憂慮しています。

※本記事は有料メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』2017年5月31日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ

安倍官邸と読売新聞による陰湿ないじめ。日本は独裁国家に堕ちた

もうすでに「暗黒」の中? 自由の行き詰まりが見えてきた

暗黒の時代を見ているような気がするのは私だけではないはずだ。

学校法人「加計学園」の獣医学部新設に関する問題で、前文部科学事務次官が文部科学省内で作成されたとされる安倍晋三首相への忖度と受け取られる文書を「本物だ」とし、一連の手続きについて「行政がゆがめられた」と会見したことを受けて、政府の対応は、「前次官が証言した」という事実に正面から向き合わず、それを除け者にするような態度を取り続けている。

隠そうとするからなのか、釈然としない薄気味悪い政府の態度は、いつか見た「いじめ」の態度のようである。その悪意に満ちた政府の情熱は計り知れず、恐ろしささえ感じる。それはやはり自由が奪われた「暗黒」の中にいることの実感なのだろう。

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1945年に話は遡る。戦争末期の沖縄戦は米軍の猛攻撃の前に壮絶で凄惨な結末となった。

奇跡的に生き残った元「ひめゆり」隊の女性の証言によると、米軍の攻撃の最中、女子学生は軍人から突然自由を言い渡されたという。洞窟の外に出れば砲弾の標的になるだけという中での「自由」に、女性学生は、どこに行けばいいのかと「ご指示」を仰ぐが、「おまえたちは自由なんだ!」と日本軍は言い残して、どこかへ行ったという。

社会学者の見田宗介さんは、次のように書いている。

この時女子学生たちは、自由だろうか。自由というのは何であろうか。自由であるということはどこに行ってもよいということである。けれどもこれだけでは現実的に自由であるということにはならない。どこかに行けば幸福の可能性があるということ。『希望があるということでなければ現実的実際的に自由であるということにはならない

出典:現代思想2016年9月号

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