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【日欧EPA合意】「家電の関税撤廃」を日本が喜べない本当の理由とは?=児島康孝

ヘルシンキの百貨店に日本製品はあるのか?

例えば、フィンランドの首都ヘルシンキの街や家庭の場合は、こんな感じです。

ヘルシンキの中心部には、老舗の百貨店「ストックマン(STOCKMANN)」があります。茶色の建物が印象的で、日本の進んだ百貨店と比べても違和感はなく、日本人にとっても快適な百貨店です。この百貨店では、デザインが良い生活家電を販売しています。

最近は日本で「蔦屋家電」が話題になりましたが、あのような感じですね。百貨店に家電販売コーナーが違和感なくあるのです。

トースターとかパン焼き器とか、またパソコンなども売っているのです。デザインに優れた欧州だけあって、製品はどれも厳選されています。色や形、飾りでも、家に置きたくなるようなお洒落な感じです。

さて、このヘルシンキの百貨店では、どこの国が作った製品を売っているのでしょうか?

まず、売っているパソコンは…レノボ(中国)です。ヘルシンキの「ストックマン」も売り場は無制限ではありませんので、値段と使い勝手で、生活にふさわしい製品を厳選して展示・販売しています。

いろんなメーカーの製品をたくさん置いているのではなく、吟味して、生活にフィットするものだけを展示・販売しているのです。この辺りは、北欧の「じっくり吟味して考える」という国民性そのものを反映しています。

そして、選ばれているのは、レノボ(中国)のパソコンなのです。

続いて、トースター、レンジ、オーブンも見てみました。ジューサー、泡だて器などもいろいろと見て回りましたが、それが、日本製品がまったく無いのです。おそらくフィンランドの人は、日本の家電製品を見たことがないでしょう。

すべての展示製品のデザインや色が良いので、ちょっと日本製品を並べたとしても、デザイン性で見劣りするかもしれません。

こうした中、「KENWOOD」の製品をみつけました。デザインの洗練度を見ると、他の製品に比べて、2番手という感じがします。日本のデザインだからでしょうか。オーディオ機器の会社が生活家電でがんばっていたのね!と思ったのですが、実は日本のKENWOODとは無関係でした。英国系の同名企業で、生活家電(キッチン用品)の会社なのです…。

ということで、ついに日本製の家電製品はまったく見かけなかったのです。ショッピングセンターなどでも、サムソン(韓国)のスマホやタブレット販売店は見かけるのですが、日本の製品はまったくありません。

Next: フィンランド一般家庭での「メイドインジャパン家電」利用率は?

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