あらためて問う、株式の本質とは?
株の本質は「何が成長するかを考える」ことです。少なくとも考えようとすること。考える姿勢を見せることです。
さすがに当てろとはいわない。人は神様ではないので。当たりません。当たらなくていいのです。
世の中のことを考える。じっくりと考える。ある製品のことを考える。ゆっくり考える。成長する製品とそうではない製品との区別ぐらいはつきますよ。
成長か否かを区別できれば、何通りかの予想をすればよい。ひとつだけの予想ではなくて。何通りか予想をする。
わたしたち投資のプロは、それをリスク・プレミアムという連続複利の数字に直してバリュエーションを算定します。リスク・プレミアムを設定すれば、それは無数のシナリオを考えたことと同じですから。
ちょっと専門的ですか? でも、こんなこと大したことじゃないので、へー、そんなものか、と流してね。
数十年後をざっくりと見る
成長率を推定して、その成長率が達成できないリスクも同時に推定する。これでバリュー算定は終わりです。シナリオを現在価値に直せるからです。
スローな投資家は、数十年後も存在するに違いないサービスや製品について、深く、本質的でも、「ざっくり」と世の中を見る。
まったくビジネス・スクールの教科書通りですよ。競合が厳しいかどうか。基本特許や変動費率が低いとか、いろいろな状況証拠から成長力を判断しますね。
また、すべての製品やサービスを分析する必要はないんですよ。成長するのではないか?という期待が持てるものだけを、ざっくりと調べる。それがスローな投資家です。
調べることそれ自体が楽しい方々も多いですしね(アナリストたちは調べることが好きなんですよ。株を当てることよりも。困った人々だ)。
調べることで、世の中のことが深く理解できるようになりますしね(アナリストは商売も上手いですよ。いろいろな事例を見ているから)。