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Amazonの「すごい交渉力」 ホールフーズ1.5兆円買収の舞台裏で起きていたこと=シバタナオキ

アクティビティストが8.8%の株式を取得して、ゲームスタート!

そんな中、ついに大きな動きが株式市場で起こりました。

2017年4月10日、JANA Partnersという投資ファンドがホールフーズの発行済株式の約8.8%を取得したという大量保有報告書を提出しました。

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JANA Partnersという投資ファンドは、日本で言うところの一昔前にあった「村上ファンド」の様なアクティビストと考えれば良いかと思います。

つまり、投資ファンドから見ると、ホールフーズの株価は実体に対して安すぎる。そして経営陣が必ずしも素晴らしい仕事をしているとは言えない。という風に見えていた可能性が高いわけです。

2017年4月17日にホールフーズは、ファイナンシャルアドバイザーと契約をして、そのアクティビストにどのように対応していくかという協議を開始します。

翌日の4月18日には、とある事業会社Xから「戦略的なパートナーシップ」のディスカッションをしたいという内容のレターが届きます。

M&Aを体験したことがある人はよくご理解いただけると思いますが、この「戦略的なパートナーシップ」という言い方はいろいろな意味を含みます。単なる事業提携を示す場合もあれば、今回のようにM&Aといった非常に大きなトランザクションに至ることもあります。

4月20日から5月4日の間までに、事業会社Xだけではなく、他の会社や投資ファンドからも、「もしホールフーズがバイアウトを含めた大きな構造転換をするのであれば、その取引に参加したい」という連絡が複数届きました。

つまり、JANA Partnersというアクティビストが8.8%もの株式を取得した時点で、他の事業会社や投資ファンドもこれからホールフーズ周りで大きな取引が発生する可能性が高いということを嗅ぎつけて声をかけてきたわけです。

ここまで来ると会社としてはもう仕方がありませんので、正々堂々と一社一社と交渉していくしかありません。

さて、ここからどのように交渉が進んで行くのでしょうか…。

Next: 買収の経緯1:ホールフーズ側からAmazonへ打診

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