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天才投資家ジョージ・ソロスの「再帰性理論」をもっと分かりやすく!=東条雅彦

再帰性理論は「効率的市場仮説」への反論だった!

書籍『ソロスの講義録』の中で、ソロスは次のように述べています。

私が自分の理論を新パラダイムとして提示したことは、時期尚早の誹り(そしり)を免れないでしょう。しかしながら、効率的市場仮説は徹頭徹尾間違っているということが証明されたのも、また事実なのです。(P86より引用)

ソロスは、効率的市場仮説への反論として、再帰性理論を提唱しました。

<効率的市場仮説とは?>

1960~1970年代に米国で提唱されたもので、市場は効率的であり、どのような情報を利用しても、他人あるいは平均よりも高いパフォーマンスを一貫してあげることは不可能であるという説。そのポイントは…

  • 常に多数の投資家が収益の安全性を分析・評価している
  • 新しいニュースは常に他のニュースと独立してランダムに市場に届く
  • 株価は新しいニュースによって即座に調整される
  • 株価は常に全ての情報を反映している

…とされ、この効率的市場仮説は、今でも広く信じられている仮説です。しかしソロスの再帰性理論では、ことごとく効率的市場仮説を否定しています。反論している点をまとめると、次の通りです。

<ソロスによる効率的市場仮説への反論点>

(1)
全ての人間が本当の現実を理解できず、現実の一部しかわからないので、「現実’」として解釈している(社会的事象には可謬性がある!)

(2)
社会的事象は人間の持つ認知機能と操作機能が相互に干渉しあって現実に影響を与えながら、自己強化的に現実を歪めていく(社会的事象には再帰性がある!)

(3)
現実と人間との再帰的なループにより、現実が歪んでいき、本当の現実と現実’が大きく乖離して、時にバブルとなる。

(4)
バブル崩壊の過程では、株価は上昇する速度よりも下落する速度の方が速く、株価は実態よりも大げさに動く傾向がある。

(5)
「株価は常に全ての情報を反映している」わけではなく、再帰的に繰り返される正と負のフィードバック・ループにより、実体と株価は離れたり近づいたりを繰り返している。

再帰性理論の全体像をまとめた図解を下記に示します。

【図解4】再帰性理論のまとめ(3つのループ)

【図解4】再帰性理論のまとめ(3つのループ)

社会的事象は「認知機能と操作機能」「現実と現実’」「現実と人間」の3つのループによって、「本当の現実」と「現実’」が乖離していきます。それが時に「バブル」を引き起こします。

Next: 今回のまとめ~ソロスの「再帰性理論」の重要ポイント

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