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天才投資家ジョージ・ソロスの「再帰性理論」をもっと分かりやすく!=東条雅彦

フィードバック・ループの正と負の性質

永久ループというと、同じところをクルクルと回っているようなイメージですが、正確には異なります。

社会に参加している人間は、「本当の現実」を誰もわかりません。現実という全体の中の一部として人間が参加しているため、現実全体を把握できないのです。

そのため、認知機能にインプットしている「現実」は、正確に言えば「現実」ではなく「現実’」となります。

そのため、次のように認知機能と操作機能の相互ループによって、現実がどんどん変化していきます。

  • f(現実’)⇒認識⇒g(認識)⇒現実”⇒f(現実”)⇒認識⇒g(認識)⇒現実”’…

株式市場で言えば、次の通りです。

  • (現実’)Z社の株価100ドル⇒(認知)価値がある⇒(操作)買う⇒
  • (現実”)株価が120ドルに上昇⇒(認知)価値がある⇒(操作)買う⇒
  • (現実”’)株価が140ドルに上昇⇒(認知)価値がある⇒(操作)買う⇒…

ソロスはさらに洞察を進めて、再帰性のループには、次の2種類の方向が存在することを発見しました。

<負のフィードバック>

参加者の現実に対する見方が現実の状況に接近するという性質

<正のフィードバック>

参加者の現実に対する見方が現実の状況から乖離・拡大するという性質

【図解3】フィードバックの種類

【図解3】フィードバックの種類

正と負のイメージが湧きにくいかもしれません。正はプラスで、負はマイナスです。次のようにイメージしましょう。

<負のフィードバック>

「本当の現実」という円の大きさに対して、人間が認知した「現実’」の円の大きさが近づいていく現象

<正のフィールドバック>

「本当の現実」という円の大きさから、人間が認知した「現実’」がどんどん大きくなっていく現象

ソロスはこの2種類のフィードバックを、次のように考えました。

  • 負のフィードバックは自己修正的で、いつまでも続くことが可能である。
  • 正のフィールドバックは自己強化的でどんどん拡大していき、永続的ではない。やがて事象の参加者の認識が限界に達してしまう。

そしてソロスは、正のフィードバックは「バブル構造」そのものであると見なしました。最初は自己強化的にどんどん大きくなり、最後は自己破壊的に転ずるのは、金融市場におけるバブル構造そのものというわけです。

Next: ジョージ・ソロス発案「再帰的な株価モデル」の8段階とは?

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