なぜ日本の株式市場は割安に放置される銘柄が多いのか?
ここ最近の国内株式市場の流れとしては、ようやく株主還元(投資家重視)が評価され易くなってきたと言えそうです。一部の銘柄に集中するなどの行き過ぎも散見されますが、ようやくバリュー投資の効果も出つつあるようです。
日本の株式市場は、他国市場に比べて何故に割安に放置される株式が多いのか? やはりと言うべきか、取るリスクの割にリターンが少ないからということであり、つまり株主を重視せず経営陣や市場運営者が自己(及び市場)の利益、または保身ばかりに走っていたからです。昨年からはこれらの是正を主導するのは、専門家である機関投資家などである…という(当たり前の)考え方が浸透しつつあります。
この観点からは、まだまだ割安株は沢山あります。国内株式に限らず、海外にも沢山の投資機会があります。とはいえ、日経平均は11月10日からの11営業日で2,130円、率にして約13%も急騰したのですから、トランプ相場の中で慌てて「儲けよう!」と動く前に、まずは投資研究を楽しむ余裕を持っていただきたいと思います。
トランプ氏の印象は「偉大なる詐欺師」
個人的には、今のトランプ相場はいくらかユーフォリックかなとも感じていますが、市場エネルギーの強さから余り弱気にもなれません(苦笑)。多少上がっても、慌てて売らずに様子を見ている…といったところでしょうか。
選挙前までは彼の暴言が流れる度に市場に悪影響を与えてきた訳ですが、当選後の手のひらを返したような穏健なコメントを評価し過ぎている懸念も感じます。あまりに非現実的な政策表明や暴言が続きましたので、その揺り戻しと言うべきか…。安心感を得ようとする大衆心理的な作用と言えば良いのか…。
トランプ氏はとても賢い(計算高い)人と思いますが、私の受ける印象は「偉大なる詐欺師」です(笑)。本当の詐欺師と言うのは自分のことを詐欺師とは考えていませんし、勿論とても賢いはずでありバカじゃできません。過去の暴言にもあっさりと「言っていない」などと平然と嘘をつける人であり、大衆心理の誘導も巧みです。
このような観点からすると、まだしばらく、大統領就任まではある程度の大言壮語が続くでしょうから、マーケットの活性化にも影響すると予想されます。円安も昨年のピークから半値押しのレベルですし、日本株も公的資金による押し上げ効果で日経平均が1,500円くらい下駄を履いていると見れば割高という程でもありませんから、「無理をしない程度に売買を楽しめる水準」と考えています。
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