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平均月給4万円。親日国家「モンゴル」への投資はどこまで有望?=荒川雄一

(3)対日関係~国民の7割「日本に親しみを感じる」

日本との外交関係は、1972年に樹立されました。

当初はノモンハン事件などにより反日感情もありましたが、現在は日本におけるモンゴル人力士の活躍などもあり、国民感情としても日本とは友好的関係が維持されているようです。

2004年11月に、在モンゴル国日本国大使館が実施した世論調査によれば、「日本に親しみを感じる」と答えた回答が7割を超えたほか、「最も親しくすべき国」として第1位になるなど、現在のモンゴル国とは極めて良好な関係です。

確かに、街中で走っている車の半分以上が、トヨタのプリウスでした。以前は韓国車が多かったようですが、故障が少なく、ガソリンを節約できる日本車に人気が集まっているようです。

対日貿易をみると、2016年の貿易額は約323.61億円で、モンゴルからの輸入は約19.01億円に対し、日本からモンゴルへの輸出は約304.60億円となっています。

主要品目は、輸入では鉱物資源(石炭、蛍石)や繊維製品など、輸出では自動車、一般機械、建設・鉱山用機械などとなっています。

また、日本からの直接投資は累計206.93百万ドル(2013年9月現在)、円借款は1,259.44億円、無償資金協力1,163.70億円、技術協力497.28億円(いずれも2015年度まで)などとなっています。

日本企業の支店開設数は“0”(平成28年時点)ですが、駐在出張所が37社となっています。また、外務省の統計によれば、現地法人化した企業等数は326社で、在留邦人は539名とのことです。

(4)モンゴル投資~対象にするのは難しい

私たちが日ごろリサーチしているファンドの中にも、モンゴル国単体に投資しているファンドはほとんどありません

日本国内でも販売されているハーベストの「アジアフロンティア株式ファンド」の運用方針には、「主として、バングラデシュ・モンゴル・カザフスタン・スリランカ・ベトナム等の企業及び当該各国で主な事業展開をする企業の上場株式等に投資するアクティブファンドです」と書かれていますが、直近の運用報告書をみると、国別投資先としてモンゴルへの配分は記載されていません

また、モンゴル投資では、2012年にモンゴルでの重機リース事業への投資を巡る詐欺事件が起こっています。投資会社「グローバルアイズ」が9つのファンドで計約97億円の資金を集め、計6人が逮捕されています。

また、こういった新興国では必ず出てくるのが、不動産投資です。「首都ウランバートルにおける大規模再開発へ投資する」といったもののようです。

ただ、新興国の不動産投資はかなりリスクが高い投資ですので、一般的なアセットアロケーションを考えた投資においては、あまりおすすめとは言えません

モンゴルの市場規模や経済成長率などを考えると、投資先として単体国を対象にするのは難しいといったところが本音です。

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