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無茶な「人工降雨」で湖が拡大!中国は気象をコントロールできるのか?=浜田和幸

中国最大の湖「青海湖」が変身している。数年前まで水位の低下が危機的な状況であったが、人工降雨の技術をフルに活かして面積が急速に拡大しているのだ。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)

※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2017年9月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

巨額予算を投じ人工降雨大国を目指す中国。はたして副作用は?

中国最大の湖「青海湖」が変身

ぶっちゃけ、中国の環境対策には驚かされる。この夏、中国の西端に位置する青海省を訪ねた。青海省を訪ねたのは、「中国最大の湖である青海湖が変身している」とのニュースに接したからだ。

海抜3200メートルにある周囲360キロの内陸塩湖であるが、数年前まで水量が激減し、「このままでは干上がってしまう」との恐れが出ていた。地球温暖化の影響もあり、1960年代には108もの河川が湖に流入していたが、2005年になると23に激減し、河口部の85%が干上がってしまい、水位の低下が危機的となった。

ところが、この数年、青海湖の面積が急速に拡大し、2005年と比べて湖の面積は100平方キロメートル以上も広がり、現在は過去最大の4436平方キロメートルになったという。

北京五輪を快晴にした「人工降雨」技術

なぜだろうか?

習近平国家主席の鶴の一声で、「青海湖を環境保護の先進地域にすることが決まった」というのだ。そして、人工降雨の技術をフルに活かして、夏場の降水量を飛躍的に増やしたとのこと。確かに目の前に広がる湖は地平線の向こうまで続き、あたかも大海のようである。

そういえば、中国では砂漠化がもたらす水不足を補うため、国家気象局がヨウ化銀を搭載した小型移動式ロケットを打ち上げ、世界最大の人工降雨オペレーションを展開したもの。

北京オリンピックの開会式を晴天の下で挙行するため、北京に近づく雨雲にヨウ化銀を含む小型ロケットを1100発以上発射し、事前に雨を降らせた。その効果は抜群で、開会式も閉会式も快晴に恵まれたことは記憶に新しい。

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